米国が現在建設中の原子力発電所4機のうち2機の事業を中断することにした。高騰する工事費とエネルギー源としての核発電の競争力が弱まったことが最大の理由だ。新古里(シンゴリ)原子力発電所5・6号機の工事中断をめぐって公論化を行っている韓国にも、示唆するものが多いと見られる。
ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストなど現地メディアによれば、米サウスカロライナ州の公共サービス委員会(PSC)は31日(現地時間)「施設委員会の表決を通じてサウスカロライナ州チェンキンズビルに建設中のV・Cサマー原発2・3号機の建設を中断することにした」と明らかにした。エネルギー企業のスキャナーとサンティクーパーが共同事業施行社として名乗り出て、2007年から建設を進めてきたサマー原子力発電所は、原子力専門企業で有名なウェスティングハウス(WH)が施工社として実際の建設を請け負ってきた。しかし施行社は「工事期間が長引き費用を負担できない」として、最近公共サービス委員会に事業放棄の承認を要請した。
現地メディアと専門家らは、今回の事業中断を契機に原発は米国内で主要なエネルギー源として成り立たなくなるだろう見通した。ワシントン・ポストは事業中断の原因について「数十億ドル規模に増えた建設費と停滞する電力需要、そして低価格な天然ガス発電所および再生エネルギーとの競争と共に、施行社であるウェスティングハウスの破産まで重なり、継続が困難になった」と分析した。コロンビア大学世界エネルギー政策センターのジェイソン・ボードフ所長は「(工事中断の)発表は、米国の原子力産業の展望がどれほど暗鬱かを示す強いシグナルの一つ」として「命脈が切れた原発産業と低価格なガスの登場、そして再生エネルギー価格の下落にともなう結果」だと評価した。
これに先立って環境団体「地球の友」のトム・クレモンツ常任顧問は、サマー原子力発電所について「建設初期から費用がオーバーし工事期間が遅れ、検証されない方式で施工している」と指摘してきたが、州政府は昨年10月これに対する調査を行った経緯がある。