米ドルに対する韓国ウォンの相場が一日でシーソーのように変わるなど、外国為替市場が不安な動きを続けている。韓国とオーストラリアは、貿易促進と金融市場の安定を目的に自国通貨を交換する「通貨スワップ」契約を3年延長し、契約の規模も2倍に増やすことで合意した。
企画財政部と韓国銀行は8日、韓銀とオーストリア中央銀行が今月末に満期を迎える韓国ウォン・オーストラリアドル通貨スワップ協定を延長することで合意したと明らかにした。通貨スワップの規模は従来より2倍多い77億ドル(9兆ウォン・100億オーストラリアドル)で、満期は2020年2月7日だ。
オーストラリアドルは国際金融市場で取引量が世界5位だ。その地位はドルや円にははるかに及ばないが、ウォンよりは国際通貨としての地位が高い。2015年2月に日本と通貨スワップ契約が終了して以来、韓国がウォンより強い通貨を保有する国家とスワップ契約を締結したのは今回が初めてだ。
通貨スワップは主に金融市場の不安定性が拡大され外貨が急速に流出する時、この契約を活用して外貨を確保する道を開く。例えば、金融危機が発生し外貨の流動性が不足した場合、韓国はオーストラリア中央銀行にウォンを預けて契約した割合分のオーストラリアドルを確保することができる。そのため、これは金融危機の危険を減らす外貨の「安全弁」または「防波堤」に例えられる。
しかし、今回のオーストラリアとの通貨スワップは、厚い防波堤と見るのは難しい。オーストラリアドルが世界5位の国際通貨とはいえ、外国為替市場取引の割合が昨年4月現在で6.9%にとどまるからだ。韓銀のイ・ガンウォン金融協力チーム長はハンギョレの電話取材に対し「今回の通貨スワップは、両国間の貿易活性化など実体経済を支援する意味が大きい。金融市場の安定については間接的な期待効果だ」と指摘した。
韓国にとって最高の外貨防波堤はドルとのスワップ契約だが、締結の可能性は非常に低い。米連邦準備制度(Fed)は2008年の金融危機直後、韓国を含めいくつかの国と通貨スワップ締結を拡大したが、危機の影響が落ち着いた2012年以後、徐々にこれを縮小しており、韓国も現在は契約が終了している。