サムスン電子が最近の株価急騰で世界時価総額上位10位圏内への進入を目前にしている。
30日、世界の主要企業の株式時価総額順位を調べると、先週末の取引日基準で、サムスン電子が時価総額ランキングで11位に上がったことが分かった。サムスン電子の時価総額は26日時点の普通株基準で280兆6553億ウォン(約27兆円)、優先株を含めれば313兆7845億ウォン(約30.6兆円)に達する。優先株を合わせた時価総額は26日のウォン-ドル為替レート終値(1159.2ウォン)で換算すれば約2707億ドルで、現在10位の米国の金融持株会社ウェルズ・ファーゴ(2842億ドル)に肉迫している。
時価総額ランキングを付ける際には、多くの場合優先株も含み、ウォーレン・バフェットが率いるバークシャー・ハサウェイやグーグルも種類の異なる株式を時価総額に含めて計算する。サムスン電子は普通株を基準とする時価総額ランキングでは15位に該当する。
世界時価総額1位はアップルで、27日(現地時間)基準で6412億ドル規模だ。グーグル(5744億ドル)とマイクロソフト(5083億ドル)が2~3位で後に続いているが、これらはすべてナスダック市場に上場されたハイテク株だ。
サムスン電子は世界的なメーカーのゼネラルエレクトリック(GE)と多国籍通信企業AT&Tを抜いて、非米国系企業としては最も高い時価総額を記録している。中国のアリババ(2547億ドル)、香港証券市場1位のテンセント(2497億ドル)、上海証券市場1位のペトロチャイナ(2036億ドル)などをも上回った。そのうえ、サムスン電子の株価が今後約5%上昇し209万5000ウォン(約20万4千円)になれば、10位圏内に進入すると見られる。韓国内外の証券会社は現在、サムスン電子の目標株価を230万ウォン以上と提示している。もちろん他社の株価や為替レートの動きにより順位状況は変わりうる。
サムスン電子は昨年初めの段階では時価総額が200兆ウォンに至らず、世界証券市場で30位圏外に追いやられもした。だが、最近1年間の株価上昇率が76.3%で時価総額上位企業の中で最も際立っていた。また他の半導体競争会社との格差も大きく広がった。世界1位の半導体メーカーであるインテルの時価総額は1800億ドルで、サムスン電子の66.5%にとどまっている。世界最大の半導体受託生産企業である台湾のTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd)は1621億ドル水準だ。サムスン電子の利益の質が変わったために、こうした格差が発生したと分析されている。有機発光ダイオード(OLED)と3次元(3D)NANDなど核心部品事業で差別的な技術力を備え、安定した収益を出すことができるということだ。
サムスン電子がアップルとの時価総額格差をどの程度縮められるかも関心事だ。サムスン電子とアップルの最近の株価の動きの相関関係は0.87(1に近いほど同じ方向に動く)で高いほうだ。韓国内外の証券アナリスト機関は、今年サムスン電子の純利益推定値を20%近く上方修正し、アップルは小幅ながら引き下げた。アップルが占有率よりはハードウェア革新などのプレミアム戦略で突破口を求めるという観測が多い。これは事業ポートフォリオが有機的に構成されたサムスン電子にとってチャンスになるという分析もある。例えば、アイフォンのメモリー容量拡大に必要な有機発光ダイオードは、サムスンディスプレイが独占供給している。サムスンのロゴカラーになぞらえて“青いアップル”製品が出てくるだろうという話が出回る背景だ。
アップルが自動運転とスマートカー市場を先行獲得するという展望も出ている。大信証券のパク・カンホ研究員は「コネクテッドカー市場の開花に備えて、アップルが独立的な運営体制(OS)とブランドを構築するものと見られる」とし「プレミアム生態系の主導権をめぐってサムスンとアップルの競争が激化するだろう」と指摘した。