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「韓中日3角分業体制」瓦解が加速

登録:2017-01-16 23:14 修正:2017-01-17 15:15
昨年中国向け素材・部品輸出、100億ドル減少 
中国の加工貿易禁止品目、2004年341個→2014年1871個 
日本からの素材・部品輸入、4年間で100億ドル減少

韓中日「3角加工貿易分業体制」崩壊が加速し対中輸出は減少

 半導体・平面ディスプレイ・自動車部品など韓国製素材・部品の中国向け輸出が急減している。中国が技術自立化を速め、加工貿易禁止規制を強化したことにより、2000年代初めの中国経済急浮上以後に形成された「韓中日3角分業体制」の崩壊が加速しているという分析が出た。

 16日、産業通商資源部が発表した「2016年素材・部品輸出入交易」資料によれば、昨年中国向けの韓国製素材・部品輸出額は合計827億ドルと集計された。2014年953億ドル、2015年935億ドルから100億ドル以上の大幅減少だ。品目別に見れば、携帯電話液晶表示装置・無線通信機器など電子部品の輸出額は、2014年462億ドル、2015年472億ドルから昨年は387億ドルに急減した。機械装備と自動車部品など輸送機械の輸出も2014年67億ドル、2015年65億ドルから昨年は55億ドルに減少した。産業部は「中国の国産素材・部品供給度が向上し、加工貿易制限が強化されたために輸出額が減少した」として「中国に進出して素材・部品中間材を生産してきた韓国企業が、現地で販売できずに韓国国内に逆輸出することもある」と説明した。中国の加工貿易禁止品目は、2004年の341個から2014年には1871個に増えた。

韓国の中国・日本との素材・部品公益//ハンギョレ新聞社

 韓国、日本、中国の素材・部品製造業は、中国経済が急速成長期に入った2000年代に入り「東アジア3角分業体制」を形成してきた。核心素材で技術的に比較優位な日本が韓国に素材・部品を輸出し、韓国がこれを部品と半製品にして中国に再輸出すれば、中国がこれを完成品に組立・加工して世界市場に輸出する加工貿易分業体制だ。この体制の崩壊の憂慮は数年前から言われていたが、衝撃を伴って現実化したわけだ。

 韓国が日本から輸入する素材・部品も毎年減っている。2012年374億ドル、2014年305億ドルだったが、昨年は272億ドルだ。4年間に100億ドル(27%)ほど減った。対日貿易収支では、輸入額が減ったために1980年代以来続いてきた貿易不均衡が改善されていることは喜ばしいと言える。だが、韓国の内部事情は複雑だ。韓中日3角分業体制の瓦解が速まり、韓国の産業・企業の中国向け中間材輸出が減った為に、日本から輸入する核心素材も急減しているためだ。国際貿易取引品目分類コード(HS)上、先頭が“8”で始まる機械装備・半導体・自動車部品など一部の核心素材はまだ日本からの輸入に依存している。

 “世界の工場”である中国が、単純組立基地から脱却し、素材・部品の国産化率向上を本格的に推進し始めたのはおよそ2004年以後だ。いわゆる“チャイナ・インサイド”だ。中国政府は中間材の輸入を抑制し、素材・部品産業の競争力を向上させるため2004年に中古機械など341品目を加工貿易禁止品目に指定した後、2007年には1140品目に増やした。現代経済研究院のチョン・ヨンチャン研究員は「中国の素材・部品自給率が急に高まり始めたのは、2008年の金融危機直後から」として「最近の国際技術評価報告書によれば、韓国はまだ日本の核心素材技術を追撃している段階で、中国は半導体・機械などで韓国を急追している」と話した。急速な技術革新と産業構造高度化の中で、中国製造業の競争力と部品自給率が向上し、韓国の中間材輸出にとっては非常事態になったわけだ。韓国の中国向け主力輸出品目は相変らず石油化学・鉄鋼・半導体・ディスプレイなどの素材・部品中間材だ。

チョ・ケワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/778939.html 韓国語原文入力:2017-01-16 21:34
訳J.S(1692字)

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