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鳥インフル発生178農場のうち156カ所で「効果のない消毒剤」使用

登録:2016-12-23 01:17 修正:2016-12-23 07:35
検疫当局、回収要請した後は放置 
農家151カ所、冬季の効果が低く 
使用を中止するよう勧告された消毒剤を使用 
自治体は農家にきちんと伝えず 
発生農家「薬効がないなんて…」怒り 
鶏・アヒル2231万羽の殺処分被害 
政府、卵の「買い占め売り惜しみ」行為を調査
高病原性鳥インフルエンザ(AI)で全国の養鶏農家の被害が続出する中、14日午前、仁川市江華郡草芝大橋付近の田んぼで江華郡庁の関係者らが車両防疫を行っている=江華/聯合ニュース

 高病原性鳥インフルエンザ(AI)が発生した農場に対する疫学調査をしたところ、AIが広がっていた初期1カ月間、ほとんどの農場で効力のない「でたらめな消毒剤」を使っていたことが調査された。防疫の最も基本である消毒から穴があき、AIの拡散を増幅させたという指摘が出ている。

 22日、ウィ・ソンゴン議員(共に民主党)が農林畜産食品部から受け取った資料によると、今月15日基準でAIと診断された農家を疫学調査した結果、178カ所のうち156カ所で不適切な消毒剤を使っていたことが分かった。農家ではAIを防ぐために日頃から消毒をしてきており、先月16日にAIが発生してから消毒が集中的に行われたが、事実上「無駄な努力」だったということだ。防疫の総体的な不十分さにより、現在231の農家でAIの確定判定を受け、殺処分された鶏・アヒルは2231万6千羽に上る。

 消毒薬品管理は全般的に脆弱だった。農家31カ所は効果が不十分で政府の回収命令までが下された消毒薬品を使っていた。農林畜産検疫本部は今年1~5月、AI防疫用消毒薬品を全数調査し、27品目に対して効力が不十分だと判断した。検疫本部は該当品目について出庫中止、販売中止、既存製品回収をするようにしたが、多くの農家で依然として使用されていた。畜産生産者団体らは10月、検疫本部に公文を送り、「回収措置が全くできていなかったり、極めて不十分だ」とし、積極的対応を要求もした。

 151カ所の農家は、政府が冬の低い気温では効果が落ちるため使用しないことを勧告した酸性剤系の消毒剤で防疫をしていた。2カ所は効力そのものが検証されていない消毒剤をかけ、そもそも消毒剤を使っていなかった農家も5ヶ所にも上った。

 専門家などで構成された農林畜産検疫本部・疫学調査委員会も消毒薬品の使用に問題があると懸念を表明した。AI・疫学調査委員会のキム・ジェホン委員長(ソウル大学教授)は、「政府が不適切だと判断した消毒剤が農家で依然として使われているという事実が委員会でも指摘された。一斉調査を通じて処置を取らなければならない」と話した。

 AI消毒剤の選定方法は地域ごとにまちまちだ。忠清北道は市・道の防疫協議会が消毒剤を選定し畜産農家に普及させ、全羅南道は原則的に農家が消毒剤を選択して散布する。忠清南道は畜種別生産者協議会を経て消毒剤を選定する場合もあるが、市・郡が判断して購入したりもする。不適切な消毒剤で地方自治体も混乱を助長した。忠清北道のキム・チャンソプ動物防疫チーム長は「消毒剤は生産者団体が参加する協議会で農林畜産検疫本部が検証した製品から選定する。今年、製造会社の方で不良製品を供給したため畜産農家が強く反発している」とし、「法的制裁などを農林部に建議した状態」だと話した。農家でももどかしさを訴えた。羅州(ナジュ)地域のAI発生農家のKさんは「何度も畜舎内外を消毒したが、AIを防ぐことができなかった。消毒剤の薬効がないとは思いもしなかった」と話した。

 これに対してキム・ジェホン疫学調査委員長は「冬に優れた効果のあるAI消毒剤は少ない。自治体は専門人材が少ないことから、安い消毒剤を購入し農家に分ける場合もあり、管理・監督がうまくいっていない」とし、「中央政府が効果の高い消毒剤を選定し、自治体と農家に勧告することも方法」だと強調した。ウィ・ソンゴン議員も「不適切な消毒薬品が使用されたというのは、政府の防疫政策の総体的不備をそのまま示している」とし、「農家に対する十分な情報提供、消毒剤管理の強化など、防疫当局の迅速な措置が必要だ」と述べた。

 一方、政府が卵の値段が急騰していることと関連して、一部の卵の収集販売商による「買い占め売り惜しみ」行為を調査することにした。農林部は「一部で卵の買いだめの話が出ているため、事前調査が必要と判断され、実務レベルで公正取引委員会に協力を要請した状態」だと明らかにした。国内で生産される卵は60%以上が農家から収集販売商人を経て流通される。業界では一部の収集販売商が、農家から卵を安い価格で大量に買いだめた後、すぐに市場に供給していないのではないかと疑っている。農林部と公取委は卵の流通過程で買いだめ、価格談合など不公正行為があったかどうか実態を把握した後、法違反の素地があると判断されれば合同調査を行う方針だ。

キム・ソヨン記者、清州・光州・大田/オ・ユンジュ、アン・グァンオク、チェ・イェリン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/775747.html 韓国語原文入力:2016-12-22 21:58
訳M.C(2206字)

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