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不動産と補正予算に依存した韓国経済…0%台低成長が固着化

登録:2016-10-25 23:35 修正:2016-10-26 06:46
第3四半期成長率は前期対比0.7%…4分期連続で0%台 
「不動産と補正予算がなかったら事実上マイナス成長」 
製造業成長率は7年余ぶりの最低値「成長の質悪化」 
「原油価格反騰、キム・ヨンナン法の影響で4分期はさらに悪化」
0%台の低成長//ハンギョレ新聞社

 今年3分期(7~9月)の韓国経済は前分期に比べて0.7%の成長に終わった。4分期連続の0%台成長率だ。しかも不動産の活況と補正予算の景気浮揚効果に依存したものだ。韓国経済が事実上「低成長のドロ沼」に陥ったことに加えて、「成長の質」まで悪化していると指摘されている。

 韓国銀行が25日発表した「2016年実質国内総生産(GDP)速報値」によれば、第3四半期のGDPは377兆9524億ウォン(季節調整系列・約35兆円)で、前期より0.7%増加した。これは第2四半期(0.8%)よりは0.1%減少した数値だ。韓国経済は2015年第4四半期以後、0%台成長率を4分期継続していて、2014年第2四半期以後の10分期の間ではただ一度だけ1%台に上がった。昨年同期対比成長率も第3四半期は2.7%に終わり、第1四半期(2.8%)、第2四半期(3.3%)より低水準だった。

 0%台低成長が持続していることよりさらに深刻なのは「成長の質」が悪化している点だ。韓銀資料によれば、第3四半期成長率を支えたのは建設投資と政府消費だ。実際、建設投資は前分期対比増加率が3.9%、昨年同期対比増加率は11.9%で最も高かった。政府消費の増加率もそれぞれ1.4%と4.0%でかなり良い実績を示した。憂慮の恐れがあるのは民間消費と設備投資の影響力が過度に小さくなっている点だ。企業の生産活動に関連した設備投資増加率が前分期対比-0.1%、昨年同期対比では-4.5%に終わり、民間消費増加率もそれぞれ0.5%と2.6%に留まった。これは、製造業の成長潜在力が萎縮して家計の消費余力が減っている現実を示している。実際、第3四半期の製造業活動は前分期対比-1.0%でマイナス成長だったが、これは2009年1分期(-2.5%)以後7年6カ月ぶりの最低水準だ。韓国銀行のチョン・ギュイル経済統計局長は「第3四半期にサムスン電子のギャラクシーノート7生産打ち切りにともなう損失額がすべて反映され、自動車業界のストライキにともなう生産量減少も影響を与えた」と説明した。

 成長率寄与度を見ても、建設投資と政府消費に依存する経済現実が明確になる。第3四半期GDP0.7%成長に対して、建設投資は0.6%p、政府消費は0.2%p寄与した。結局、補正予算と建設投資効果がなかったならば、成長率はマイナスだったという解釈になる。

 専門家たちは、残る第4四半期の経済展望に対して憂慮の声を高めている。LG経済研究院のカン・ジョンギュ研究委員は「成長を牽引した建設投資も、第4四半期には第3四半期にはおよばないことが自明なうえに、成長をリードする他の要因も殆ど見当たらない」として「原油安効果がなくなり、消費も減らざるをえず、請託禁止法(キム・ヨンナン法)の影響も出てくるだろう。世界経済の状況を見る時、輸出も難しいと見られる」と指摘した。ただし韓銀は、第4四半期の成長率が0%以上になりさえすれば、韓銀の年間成長率展望値(2.7%)は達成できると明らかにした。

ユ・ソンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/767247.html 韓国語原文入力:2016-10-25 20:18
訳J.S(1517字)

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