ソウル女子大学のムン・ウェソル教授らが韓国経済学会国際学術大会で発表
「南北の均衡を取る発展のためには『資本市場開放、労働市場統制』が望ましい」
朝鮮半島の南北統一が経済に少なからぬ波及力を及ぼすという研究結果が出た。経済統合後、10年間で1人当たりの国民所得は15〜30%下がると予測された。
ソウル女子大のムン・ウェソル教授(経済学)らが8日、ソウル市の西江大で開かれた韓国経済学会国際学術大会で、このような内容を盛り込んだ論文「統一がマクロ経済に及ぼす影響」を発表した。ムン教授らは論文で、資本市場の開放、労働市場の開放、資本市場と労働市場の同時開放という3つの経済統合のシナリオを仮定し、1人当たりの生産性の変動を分析した結果、「統一韓国」の1人当たりの生産性が韓国の1人当たりの生産性の90%のレベルに到達するまでに30年以上かかるという研究結果が紹介された。論文では「韓国国民の1人当たりの国民所得は統一後10年間で15〜30%ほど低下する」と予想された。
ムン教授らは3つのシナリオで統一プロセスでの経済的効果を分析した。まず、資本市場を開放し、労働市場を統制する方案を最も安定した経済統合案と見込んだ。比較的豊富な韓国の資本が北朝鮮のインフラ開発事業などに投入され、相対的に低賃金の北朝鮮の労働力がここに投入されることで、北朝鮮地域の生産性を引き上げることができるというものだ。資本市場と労働市場を同時に開放する場合、統一韓国の1人当たりの生産性を最も短期間で引き上げることができる強みがあると予測された。しかし、韓国の賃金レベルが高いために北朝鮮の労働者が南に移動する可能性が大きくなると予測され、不均衡な開発が深刻化することと分析された。結局、北朝鮮地域の1人当たりの生産性は、南の半分のレベルに到達するまでに50年はかかるという予測が出た。
ムン教授らは、労働市場を開放し資本市場を統制するシナリオでは、韓国地域の金利と賃金レベルにほとんど変化がないのに対し、北朝鮮は資本不足の現象を負うことになると予測した。ただし、このシナリオは現実的な可能性がないという評価を受けた。ムン教授らは「労働市場を開放するかどうかにより1人当たりの生産性と地域の均衡の取れた開発に矛盾する影響が現れる」とし、「経済統合による地域(南北)の間の格差を防止するために、資本市場を開放し、労働市場を統制する『1国2体制』が望ましい」と提案した。
韓国語原文入力:2016-08-08 21:49