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ブローカー通した韓国金融界不正貸し出しの手口

登録:2016-04-06 08:41 修正:2016-04-06 16:26
ブローカー、国策銀行、金融監督院の黒いトライアングル 
経営悪化の「デジテック」への融資ロビーで明らかに
経営悪化企業への不正貸し出しの流れ//ハンギョレ新聞社

金融界ネットワークがあるブローカー雇用
輸出入銀行などで数百億の不正貸し出し
監理での懐柔などで元金監院幹部に裏金
検察、ブローカーや銀行職員など7人を起訴

 タッチスクリーン業者のデジテックシステムズ(デジテック)は2013年初め、融資規模が数百億ウォン台になるほど経営が悪化していた。相次ぐ横領と株価操作事件で、追加の融資もされない状況にあった。デジテックは金融ブローカーのイ氏(42)に救いを求めた。金融界出身で民間銀行に華麗な人脈を持つイ氏が乗り出し、デジテックは農協から50億ウォン(約4億7千万円)の融資を得る。その見返りとしてイ氏は2億7000万ウォン(約2千500万円)の成功報酬を受け取ったのだが、デジテックの会計帳簿には「企業コンサルティング費用」と偽装記載された。

 さらに多くの資金が必要になったデジテックは、イ氏から国策金融機関に顔が利くチェ氏(52)を紹介された。チェ氏が動き出すと、輸出入銀行と国民銀行からそれぞれ400億ウォン(約38億円)と280億ウォン(約26億円)が融資されている。チェ氏の貸出ロビーにも黒い金が使われた。チェ氏は国民銀行支店長のイ氏(60)に3000万ウォン(約280万円)を差し出した。デジテックもカン元金融監督院副局長に、監理での懐柔の見返りとして3300万ウォン(約315万円)を渡した。企業ハンターらと金融ブローカー、金融機関と金融当局の関係者まで加担した経営破たん企業、デジテック融資ロビー事件の全貌だ。

 ソウル南部地検金融調査2部(パク・ギルベ部長)が5日発表した捜査結果によると、デジテックが2012~2013年の1年間に国策金融機関、農協、国民銀行などから受けた融資規模は1160億ウォン(約110億円)に及ぶ。2012年にデジテックを資本なしに買収した企業ハンターたちは、金融界にネットワークを持つ金融ブローカーを通じて融資を受けた。この過程で、行員と金融監督機関の幹部はコミッションを、ブローカーらはロビー成功の報酬を得た。

 検察は裏金を受け取り融資を助けた容疑(収賄など)で、産業銀行のイ・チーム長(50)とカン元金融監督院局長(特定経済犯罪加重処罰法上賄賂罪)を拘束起訴し、国民銀行支店長出身のイ氏など銀行関係者を在宅起訴した。また、デジテックに対する融資のロビーの見返りとして賄賂を受け取った疑い(特定経済犯罪加重処罰法上斡旋収賄など)で、金融ブローカーのチェ氏など4人を拘束し在宅起訴した。捜査を行った金融調査2部関係者は「各金融機関と癒着関係を持つ、それぞれのケースに対応するブローカーを活用したデジテックの融資詐欺による金融機関の被害は大きかった。特に国策金融機関に対し、実際の融資が適切であったかについて追加の捜査をする計画」と明らかにした。デジテックは昨年1月、コスダック市場で上場廃止されたが、デジテックがまだ返済していない融資金855億ウォン(約81億円)のほとんどは金融機関の損失として処理されるものとみられる。

バン・ジュンホ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-04-05 21:56

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/738379.html 訳Y.B

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