登録 : 2016.02.23 08:59 修正 : 2016.02.23 16:37

公共社会福祉支出なお不十分 
保社研「社会福祉支出」報告書

 韓国の公共社会福祉の支出(2013年度)は国内総生産(GDP)比で9.33%になり、依然として10%の壁を越えられない実態が分かった。また、韓国の福祉や租税制度は、貧困と不平等を緩和させるのにかなり不十分だった。この調査結果は、韓国保健社会研究院(保社研)が昨年、保健福祉部の依頼を受け作成した報告書「2013年基準の韓国の社会福祉支出」で明らかにされた。福祉部と保社研は、この結果を来月、経済協力開発機構(OECD)に公式に提出する予定だ。

ベビーブーム世代の本格的な高齢化

生産可能人口比の高齢者の割合
2020年に20%突破する見通し
2030年には38%…スウェーデンより高い

再分配まともにできない政策

先進諸国は福祉・税金で不平等緩和
韓国公共社会福祉支出はGDPの9%
OECD平均の半分にもならない

■公共社会福祉支出、今も10%超えられず

OECD主要国の貧困率(2012年の可処分所得基準)資料:OECD、韓国保健社会研究所//ハンギョレ新聞社
 22日、保社研の報告書によると、2013年基準の公共社会福祉支出は133.4兆ウォン(約12兆円)で、国内総生産(GDP)比で9.33%と推計された。前年度より0.51%ポイント増加したものの、依然としてGDP10%の壁を超えることができない数値だ。OECD平均は2012年基準21.6%。

 これまで政府は、GDP比の公共社会福祉支出の数値を2012年に9.6%、2013年に10.2%、2014年に10.4%(暫定値)と発表してきたが、今回OECD基準で変更されたマニュアルを適用して再分析した結果、数値が修正された。

 公共社会福祉支出の詳細な構成を見ると、中央政府と地方政府の社会福祉支出を合計した一般政府支出は51兆ウォン(約4兆6千億円)になり、健康保険と公的年金を合わせた社会保険の支出は81.6兆ウォン(約7兆5千億円)だった。退職金と退職年金を加えた法定民間社会福祉支出は10.6兆ウォン(GDP比0.74%、約9700億円)だった。このため韓国の社会福祉支出(公共社会福祉支出+法定民間社会福祉支出)は144兆ウォン(約13兆円)、GDP比10.07%と推計された。

 今回の分析を総括した保社研のコ・ギョンファン博士は「社会的危険に対する政府の保障水準を示す統計が公共社会福祉支出だが、韓国はこの数値がまだGDP比10%の壁を越えていない」、「高齢化社会による福祉支出を考慮すると、より積極的な福祉財源調達対策が求められている」と話した。

■福祉・租税、貧困と不平等の改善に不十分

韓国の公共社会福祉支出の推移。資料:OECD、韓国保健社会研究所//ハンギョレ新聞社
 報告書は、通貨危機以来の持続的な福祉支出の拡大と税金政策にもかかわらず、韓国の福祉制度と租税制度は不平等と貧困を緩和する上で大きな効果を発揮できずにいると分析した。まず、所得不平等を示すジニ係数(0~1の間で1になるほど不平等)の場合、「市場所得」基準で0.338(2012年中位世帯所得基準)だった。市場所得から税金と社会保険料を除いた代わりに、基礎年金や国民年金など福祉給与などを加えた「仮処分所得」のジニ係数は0.307になった。市場所得と仮処分所得のジニ係数の差は0.031ポイントしかなかった。福祉や租税制度が、不平等を改善するのにあまり寄与しなかったことを意味する。先進国では、市場所得の不平等を福祉や租税制度で大きく押し下げている。

 例えば、不平等が最も少ない1位の国家のデンマークの場合、市場所得のジニ係数は0.436と非常に高かったが、社会保障制度と税金政策が行われた結果、可処分所得のジニ係数は0.249へと大幅に下がった。これに対して米国は、市場所得のジニ係数が0.513、可処分所得のジニ係数も0.39と高く、世界で最も不平等な国であることが分かった。

 韓国の福祉と租税制度は貧困率の改善にもさしたる効果はなかった。韓国の貧困率(2012年基準、中位所得の50%以下)は、市場所得貧困率が16.5%、可処分所得貧困率が14.6%だった。福祉や租税制度の貧困削減効果は1.9%ポイントに止まった。韓国の可処分所得貧困率は、分析対象全体の29カ国のうち26位を記録した。スウェーデンと英国の差は、それぞれ17.1%ポイントと20.2%ポイントだった。

 ハンギョレの依頼により保社研がこの貧困率分析を、満15歳以上の労働可能人口だけを対象として別途に適用すると、市場所得貧困率10%、可処分所得貧困率10.9%で、さらに悪化することが明らかになった。これは租税や社会保障制度など政府の福祉支出が脆弱階層に主に集中し、労働貧困層を含めた労働可能人口にはあまり行われていないことを裏付けている。

■4年後から高齢者扶養の比率が急増

 報告書は1955年から64年の間に生まれた約900万人のベビーブーム世代が高齢者(65歳)になり始める2020年から2030年の間に、韓国社会は高齢化による「高齢者扶養費」が爆発的に増加するものと展望した。高齢者扶養費は15~64歳の生産可能人口100人当たりの65歳以上の人口の割合をいう。2015年現在、17.9%に達する韓国の高齢者扶養費は、2020年に初めて20%を突破して22.2%ほどに達し、2030年には38%に急増するものと予測された。韓国の2030の年高齢者扶養費は、スウェーデン(37%)、英国(35%)、米国(33.8%)を抜いた数値だ。

イ・チャンゴン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-02-22 20:47

http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/731535.html訳Y.B

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