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格安航空会社の機内サービスはどこが得?

登録:2015-03-23 20:51 修正:2015-03-29 08:25
韓国の格安航空会社国際線の機内食サービス(チェジュ航空は有料) グラフィック。 イ・イムジョン記者//ハンギョレ新聞社

 旅行を思い立てば移動時間と費用をどう節約するか考えることになる。機内でのドリンクなど各種サービスが不十分でも運賃の安い格安航空会社を選択するのは、航空券が旅行費用の中で大きな比重を占めるためだ。

 格安航空会社は低運賃で制限されたサービスを提供する航空会社をいう。機内食、手荷物、座席などのサービスは有料化し、その代わりに航空運賃を安くしているのが特徴だ。 外国系(韓国から見て)の格安航空会社は水さえも有料で販売する。 韓国の格安航空会社はそこまで薄情ではない。 航空会社や路線により差はあるが、無償で提供するサービスが多い方だ。 航空券の選択で価格優先で考慮するにしても、各航空会社が提供するサービスはどうなっているか隅々まで調べてみる必要がある。

イースター航空(Eastar Jet)の機内食サービス //ハンギョレ新聞社

 韓国国内線の場合、航空会社は全て水とミカン、またはオレンジジュースを無償で提供する。 ジンエアー(Jin Air )は冷緑茶(3月中旬以後はとうもろこしひげ茶)を全路線で追加でサービスする。 ティウェイ航空(T'way Air)は済州(チェジュ)漢拏(ハルラ)緑茶を済州路線で、エアプサン(Air Busan)はコーヒーを釜山~金浦(キンポ)路線に限って追加で飲める。ビール、コーラなどは国内線も国際線も全航空会社で有料サービスだ。

 国際線の場合は無料ドリンクサービスが航空会社別に異なっている。済州航空(Jeju Air)とジンエアーは水だけが無料だ。イースター航空(Eastar Jet)はミカン(またはオレンジ)ジュースも無料だ。 エアプサンとティウェイ航空はコーヒーも無料だが、それぞれアロエ飲料と緑茶を追加で提供する。

エアプサン(Air Busan)の機内食サービス //ハンギョレ新聞社

国際線の機内食はどうだろうか。 済州航空を除いて全ての航空会社が多くの路線でスナックか軽い機内食が無料だ。 エアプサンは路線別に提供する内容が違うが、全路線で唯一暖かい食べ物を提供する。 釜山~大阪路線では焼きたてホットドッグを、釜山~延吉(ヨンギル)線では山菜ご飯などを味わえる。 イースター航空は仁川(インチョン)~バンコク・コタキナバル路線のみでいなり寿司とムースケーキを提供する。 ティウェイ航空は仁川からバンコク、海口、千歳、ビエンチャンの路線でおにぎりとバナナ、ヨーグルトが入った弁当を提供する。

 ジンエアーは運航時間の短い済州~上海、西安路線を除く全ての路線で軽い機内食を提供する。 仁川~バンコク路線の場合、マカロニとハム、寿司を提供する。 済州航空は唯一全路線で機内食が有料だ。 しかし有料なだけあって他の航空会社にはないヒレステーキや低カロリー献立なども楽しめる。 ジンエアーとチェジュ航空は子供用の有料食事注文も可能だ。

一番人気の有料機内食はカップラーメン
一部の外国系航空会社は水も有料
激しい商品競争、焼酎にマッコリまで
「たばこ値上げで機内免税販売に注力」
映画の代わりに乗務員特別サービスで補完
美容から“乗務員変身”体験サービスまで

ティウェイ航空(T'way Air)の機内食サービス //ハンギョレ新聞社

 お腹が空いた旅行客は財布を開くことになる。乗客が買う機内食のうち、最も人気がある商品はカップラーメンだ。 食事類を販売しないエアープサンを除き、イースター航空、ジンエアー、ティウェイ航空は製品名は違うが同容量のカップラーメンを3000ウォン(約330円)で販売する。 済州航空はそれに沢庵を追加して5000ウォンで売っている。 カップラーメンに次いでよく売れる機内食は缶ビールとビビンバだ。

 格安航空会社は安い航空運賃の代わりに各種の機内有償販売で収益を上げている。 機内で独特の商品とサービスを販売したりもする。 済州航空は今月から韓国の航空会社として初めて220mlパウチ形の焼酎を販売する。 成人1人当り1つのみ購入でき、価格は5000ウォンだ。チェジュ航空は「機内で焼酎をオーダーする人が多いので導入することにした」と説明した。 イースター航空は免税店の人気商品であるたばこを機内でも販売する。 イースター航空は「たばこ値上げで1月には前月比で機内免税たばこの販売量が3倍も増えた」と話した。 ティウェイ航空では缶入りマッコリを、ジンエアーではゲーム機のプレイステーション・ヴィータ(PS VITA)を楽しめる。 エアプサンは韓国の航空会社として初めて昨年9月から子犬用韓服、猫用おもちゃのような愛玩動物用品を販売している。

 機内での毛布サービスはすべての航空会社が国内線と国際線で有料だ。ただし、エアプサンだけは釜山~金浦路線に限り無料提供する。 エアプサンは「釜山~金浦路線はビジネス路線の性格が強く、特別にコーヒーや毛布をサービスしている」と話した。

 機内に持ち込める無料手荷物は航空会社によって異なる。 イースター航空と済州航空は15キロ以下、ティウェイ航空、ジンエアー、エアプサンは20キロ以下のカバン1つは無料になっている。 チェジュ航空とジンエアーは米国路線で23キロ以下のカバン2つまで無料で持ち込める。 一定の大きさ以下の乳母車については全ての航空会社が追加料金を要求しない。

済州航空(Jeju Air)の機内食サービス //ハンギョレ新聞社

 格安航空会社の航空機にはほとんど機内スクリーンがなく、オーディオ聴取や映画鑑賞はできない。格安航空会社は機内エンターテイメント・システム機器の不足を人(乗務員)の特別機内サービスで補完している。 エアプサンはネイルケア、マッサージなどの美容サービスを提供する「ブルービューティ」、ハンドドリップコーヒーを提供する「ブルーラインバリスタ」、タロット占いのタロ・サービスなどを提供している。 釜山~シェムリアプ(カンボジア)路線では、乗務員体験サービスも提供する。希望する乗客は乗務員と同じユニホームを着て、ヘアーセットとメイクアップができ、変身後にはインスタント写真サービスも付いている。

 イースター航空は毎週木曜日、仁川~バンコク路線で機内イベントを実施する。 乗務員が乗客とジャンケン ゲームをしたり、クイズを出したり手品も見せる。 搭乗客の話をラジオのように機内放送で聞かせたりもする。 ジンエアーには特化したサービスチームはないが、3時間以上飛行する路線では機内体操を行うなど乗客の疲れを癒やすことに努める。 チェジュ航空とティウェイ航空にはゲームチーム、風船チームなどの機内特化サービスチームがある。 プロポーズのような顧客申請サービスも提供する。イースター航空関係者は「乗務員の応援を得て機内でプロポーズをした乗客が、感謝の手紙とともに結婚式への招待状を送ってくることもある」と話した。

ジンエアー(Jin Air )の機内食サービス //ハンギョレ新聞社

 航空業界関係者たちは外国系格安航空会社に比べて韓国内の格安航空会社のサービス提供が優秀だと口をそろえる。 韓国的情緒に合ったサービスを提供により顧客満足度が高いということだ。 昨年6月、韓国消費者院が格安航空会社による各種の消費者被害を調査した結果によれば、2013年に韓国の格安航空会社に関する被害受付は1件の増加にとどまった反面、外国系の格安航空会社に関する被害は209件で6倍以上に急増した。

 外国系の格安航空会社に比べて韓国の格安航空会社のサービス満足度は高い方だが、韓国の航空会社がサービス政策を変えなければならないという指摘も出ている。 週刊ハンギョレ21などに航空コラムを書いているイ・ギュホ氏は、韓国の格安航空会社のサービス政策は中途半端だと評価する。 一般の航空会社より“若干”安い運賃、“若干”少ない機内食とサービスを提供しているため、一般航空会社と外国系の格安航空会社の中間に位置しているということだ。 無償とはいうが、実際には運賃に該当サービスの提供が事実上含まれているために、格安航空会社の特徴である“低価格”の魅力が失われ価格競争力を前面に掲げた外国系航空会社との競争で押されかねないと憂慮した。 イ・ギュホ氏は「格安航空会社の最も良いサービスは、運賃は最大限安くして、斬新な機内サービスにより乗客が喜んで財布を開けるようになること」とし「乗客も格安航空会社を利用して王様のように無料サービスを強要してはならない」と話した。

 チェジュ航空関係者は「韓国内の格安航空会社が今年で10周年を迎え、消費者の認識も変わってきている」として「韓国の航空会社も外国系の格安航空会社との価格競争力を高めるために、無償提供サービスを有料に切り替えて航空運賃をさらに下げる方向に進んでいる」と説明した。

キム・ミヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/683359.html 韓国語原文入力:2015/03/23 11:33
訳J.S(3656字)

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