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ロッテ辛東主前副会長「父親の委任を受け訴訟」と反撃

登録:2015-10-08 23:52 修正:2015-10-09 06:28
8日にソウルで記者会見 
「総括会長の復帰と弟の処罰望む」 
東京地裁での解任無効訴訟に続き 
ソウルでも損害賠償請求訴訟を提起 
ロッテ「適法に決定...影響はない」
ロッテグループ経営権争いに負けた辛東主前日本ロッテホールディングス副会長(SDJコーポレーション会長)が8日午前、ソウル小公洞のウェスタン朝鮮ホテルで開かれた記者会見で、考えに浸っている=連合ニュース

 経営権争いで追放され、しばらく沈黙を守ってきたロッテグループの長男、辛東主(シン・ドンジュ、重光宏之)前ロッテホールディングス副会長が8日、ソウルで記者会見を開き、実弟の辛東彬(シン・ドンビン、重光昭夫)ロッテグループ会長を相手に訴訟を提起したことを明らかした。

 辛前副会長は同日午前、ソウル・ウェスティン朝鮮ホテルで緊急記者会見を開いた。韓国語がうまくない辛前副会長はこの日、妻のチョ・ウンジュ氏に代読してもらった発表文で、「実弟の辛東彬は貪欲のため、父親である総括会長のロッテホールディングス代表権と会長職を違法に奪取した」とし「これについて総括会長は激怒しており、非常に傷心し、直ちに総括会長本人の原状復帰と実弟を含む関係者の処罰を望んでいる」と明らかにした。さらに辛前副会長は「そのために総括会長は私に直筆署名の委任状を預け、法的措置などを含めた一切の行為を委任した」としながら、「父親の意向に従い訴訟を含むいくつかの必要な措置を開始する」と述べた。

 辛前副会長は、辛格浩(シン・ギョクホ、重光武雄)総括会長がすでに東京地裁にロッテホールディングス代表権の剥奪と会長解任の無効訴訟を提起したと同日発表した。今年7月27日、辛東主前副会長が辛格浩総括会長を前面に出して日本ロッテホールディングスに現れ、辛東彬会長をはじめとする取締役の解任を試みたが、辛東彬会長は翌日取締役会を開き、新総括会長のロッテホールディングス代表権を剥奪し、会長を解任した。記者会見場に同席した辛前副会長のチョ・ムンヒョン弁護士は「ロッテホールディングス定款の取締役会招集の手続きによると、在籍取締役及び監事全員の同意によって招集するようになっている。(取締役会の一員である辛格浩総括会長に)なんの通知もなく、取締役会を違法に開催して辛新総括会長を代表職と会長から解任した。このような違法な取締役会について無効確認訴訟を日本に提起した」と説明した。

 また、辛前副会長側は同日午前、ソウル中央地方裁判所にホテルロッテとロッテホテル釜山(プサン)の相手に「取締役の解任に関する損害賠償請求訴訟」を提起したと発表した。今年9月10日、ホテルロッテとロッテホテル釜山が臨時株主総会を開き、辛前副会長を取締役から解任したことが不当であると主張している。辛前副会長はまた、ロッテショッピングを相手に辛格浩総括会長と共に会計帳簿の閲覧謄写仮処分申請も出したと明らかにした。辛前副会長は、辛東彬会長がロッテショッピングの中国事業の赤字が1兆ウォン(約1031憶円)に達するまで、辛格浩総括会長に隠したと主張してきたが、仮処分申請を通じて中国事業における経営の問題点を把握して、財務情報の正確性を検証する計画だ。辛前副会長側は、辛格浩総括会長がすべての法的行為を辛前副会長に委任するという内容の委任状と、辛総括会長が委任状に署名する動画を公開した。

 このような法的措置にもかかわらず、辛前副会長が、辛東彬会長が確保した持ち株の優位を覆すことは容易ではない見込だ。当日、辛前副会長側の顧問として同席したミン・ユソン元産業銀行金融グループ会長は、辛前副会長が持分50%を保有している光潤社のロッテホールディングスの株式を経済的価値だけで換算すると55.8%に達するという主張を繰り広げた。しかし、議決権を基準にして企業の経営権が決まる状況では、これは何の意味もない。

 ロッテグループは「辛東主前副会長の訴訟提起は予見されていたもの」だとし「辛東彬会長の韓日ロッテグループの経営権に関する事項は、商法上の手続に基づいて取締役会と株主総会などを通じて適法に決定されたもので、訴訟が現在の状況に大きな影響を与えることはないだろう」と明らかにした。

ユ・シンジェ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-10-08 20:06

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/712094.html 訳H.J

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