本文に移動
全体  > 経済

韓国の国民総所得4年半ぶりに減少…低成長の長期化憂慮

登録:2015-09-04 09:52 修正:2015-09-04 16:23

第2四半期の実質GNIが前期より0.1%↓
実質国内総生産も0.3%増加に過ぎず
一時的な所得不振でない可能性も
消費萎縮など構造的要因に注目
景気回復展望ますます暗く

実質国民総所得(GNI)と実質国内総生産(GDP)増減率の推移//ハンギョレ新聞社

 第2四半期(4~6月)の実質国民総所得(GNI)が前期比で0.1%減少したことが分かった。実質国民総所得が減少したのは4年6カ月ぶりだ。第2四半期の実質経済成長率は0.3%に終わった。所得不振と低成長が一時的な現象で終わらず、今後も続く可能性があると憂慮される。

 3日、韓国銀行が発表した「第2四半期国民所得(暫定)」資料によると、実質国民総所得は前期比0.1%減り、2010年の第4四半期(-1.9%)以降、初めて減少した。実質国民総所得は2013年の第4四半期(2.2%)後、1%前後の増加率を示し、今年第1四半期に4.2%増加したことがある。国民総所得は国民が国内外で一定期間稼いだすべての所得を集計したもので、国内総生産(GDP)から外国人の韓国内所得(国外支給要素所得)を抜き、韓国人が国外で稼いだ所得(国外受取要素所得)を加えた額と同じだ。ここに交易条件の変化にともなう貿易損益を加え、実質国民総所得を集計する。

 日照りと中東呼吸器症候群(MARS)の影響で第2四半期の実質国内総生産が前期比0.3%まで落ち込んだのが主な要因として作用した。この日、韓銀は、第2四半期の実質国内総生産が7月速報分で発表した通り、前期比0.3%の増加が確定したと明らかにした。四半期別の成長率としては昨年の第4四半期(0.3%)と同じで、2009年の第1四半期(0.1%)後、6年3カ月ぶりに最も低い数値だ。実質国民総所得が実質国内総生産の増加率を下回ったのも、昨年の第3四半期以来初めてだ。特に、深刻な日照りで農林漁業生産量が第1四半期より12.2%も減少した。MARSの影響で卸小売および飲食宿泊業、運送および保管業、保健および社会福祉サービス業の成長率も0.7~1.4%まで落ちた。反面、製造業は自動車と携帯電話販売量が増えるなど、前期比1.2%の成長を示した。

 国際的な原油価格の下落などで貿易による利益が大きくなり、国民総所得増加率は国内総生産増加率を上回れる条件にある。実際の第2四半期の実質貿易損益は2003年の第4四半期後で最も高い11兆3千億ウォン(約1兆1400億円)の利益を出したが、国民所得はむしろ後退した。これは韓国人が国外で稼いだ所得から外国人の韓国内収入を引いた金額(国外純受取要素所得)が、第1四半期(5兆9000億ウォン)より4兆8000億ウォンも減った影響が大きかった。キム・ヨンテ韓国銀行国民計定部長は「国内企業が国外で受け入れる配当所得の受け取り時期が第1四半期に繰り上がったため、第2四半期には国外純受取要素所得が大きく減ったと見られる。第1四半期の実質国民所得は前期比4.2%、前年比7.1%に大幅上昇したのに伴った基底効果も現れた」と説明した。

 専門家は所得の不振と低成長が一時的な現象で終わらない可能性がある点に憂慮を示す。国内経済の生産性下落、家計負債増加による消費心理萎縮、輸出競争力弱化など、構造的要因が底辺に敷かれているためだという。イム・ジン韓国金融研究院マクロ経済研究室長は「国民所得減少は景気による要因もあるが、低成長が長期的に持続されるという点で、構造的な要因のほうが高く見える。短期対応よりは少子高齢化という長期的な経済環境の変化に注目し、労働市場の柔軟性を高める政策を強化するなど、構造的な低成長の要因を除去する経済政策を運用する必要がある」と語った。イ・ジュニョプ現代経済研究院経済動向分析室長も「政府は財政赤字をやっと免じる程度で、企業と家計はそれぞれ輸出と家計負債負担などで消費と投資不振に苦しんでいる状況なので、当分の間、景気回復要因を見出しにくい可能性もある」と見通した。

 一方、第2四半期の国内総貯蓄率は35.3%で、前期比1.2%ポイント低くなった。名目国内総生産を実質国内総生産に分け総合的な物価を判断するGDPデフレーターは、前年同期比2.7%上昇して2010年第4四半期(3.4%)後に最大値を示した。

ホン・ソクチェ、キム・ギョンナク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-09-03 21:42

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/707365.html 訳Y.B

関連記事