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ギャラクシーS6プラスチックケースをメタルに変えただけで下請け企業は悲鳴

登録:2015-05-26 08:06 修正:2015-05-26 15:10
ギャラクシーS6 //ハンギョレ新聞社

ギャラクシーS6・エッジの外観変更で
下請け業者の売り上げ半減
営業利益赤字でリストラ相次ぐ
「サムスン電子だけに納品を求められ
他の納品先を発掘できず経営難」
サムスン電子「事実と異なる」と否定

 サムスン電子がギャラクシーS6・エッジの外観をプラスチックからメタルに変えると、プラスチック関連納品業者の相当数が協力会社の隊列から押し出され、経営難に陥っている。該当する中小企業はサムスン電子の技術変化はやむを得ないが、協力業者として納品独占を事実上強要された事情もあり、新しい売り上げ先を探すのは難しいと訴える。

 サムスン電子の携帯電話に使われるプラスチックケースの枠組みを納品してきた京畿道・安山(アンサン)のK社は、昨年から悪くなった経営事情が今年になっても好転する兆しはない。サムスン電子はギャラクシーS6・エッジに、より技術力が必要となるメタル素材ケースを採択し、関連部品を自ら生産したり、技術・投資条件がより良い中堅企業を中心に納品業者を変更した。これに伴い、K社のプラスチックケース関連納品物量は減り続けている。

 K社の昨年の売り上げは53億ウォン(約5億8000万円)で、前年(76億ウォン)に比べて30.3%減り、営業利益は11億ウォンから-9億ウォンに急降下した。K社の社長は「仕事が減って売り上げも減り、まず契約社員を解雇するしかない状況」と語り、「固定物量まで落ちれば会社をどうすべきか分からない」と窮状を訴えた。慶尚北道・慶山(キョンサン)のプラスチックケース納品業者のN社も、売り上げ下落の余波で昨年末から構造調整を進め、110人ほどの社員のうち約40人が会社を去らねばならなかった。業界では、プラスチック素材の外観に関連したサムスン電子の1・2次協力業者がは100余りに達し、そのうち相当数が経営難に陥っていると把握する。

 一部の業者は会社を売りに出すところも出だした。慶山のある1次納品業者の役員は「昨年の年末から一部業者から買収の提案を受けたが、私たちも事情が良くないので検討さえしなかった」と語る。

サムスン電子ギャラクシーのメタル・プラスチックケース採択比重の推定値 //ハンギョレ新聞社

 プラスチック関連の納品中小企業が体験する困難の原因について、サムスン電子と中小企業側の主張は異なる。安山のある中小企業の代表は「サムスン電子は大量生産体系で価格競争力を高めようと、自分たちにだけ納品することを要求する」と説明し、「サムスン電子が技術を変えたり納品業者を変えれば、その間、他の納品先を発掘できないでいたため経営難に陥るほかない」と指摘した。

 一方、サムスン電子側は「納品独占を要求したことはない」とこうした主張を否定した。サムスン電子関係者は「スマートフォンの外観材質をメタルに切り替え、既存協力企業等のメタルケース部品製作と納品を支援するなど、共生協力を実践している」と強調した。また「今年の後続モデルにメタル材質部品製作と供給に参加することができるように積極支援しており、これに伴い、中小企業のメタル部品売り上げ比重も着実に増えている」と説明した。

 これに対して中小企業研究院のある研究委員は「国内電子企業の下請け業者の大部分が、サムスン電子とLG電子のうち1カ所に納品しなければならないのは良く知られた事実」と指摘した上で、「こうした現実のため中小企業が大企業に従属して技術革新や売り上げ多角化をしにくい」と説明した。

イ・ジョンフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-05-25 22:45

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/692785.html 訳Y.B

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