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フィラデルフィアがモンデリーズのものだとでも言うのか

登録:2015-05-05 09:21 修正:2015-05-05 10:18
フィラデルフィア・チーズをめぐり
ありもしない商標権主張し韓国の業者を圧迫
モンデリーズが2006年8月特許庁に登録したフィラデルフィア チーズケーキの商標図案(左)とクラシックケーキコリアが去る3月特許庁に登録した商標図案(右)。地域名は表記として所有できないが、モンデリーズは権利侵害を主張している=特許情報検索サービス資料//ハンギョレ新聞社

 米国のフィラデルフィアでない場所で生産されたフィラデルフィア・チーズケーキを作る多国籍大企業が、フィラデルフィアで生産されたフィラデルフィア・チーズケーキの国内輸入業者に対して商標権侵害を主張し、事実上、国内での営業ができないよう圧迫したことで物議をかもしている。この企業は国内最大の法律会社のキム・アンド・ジャンに依頼し、訴訟はもちろん刑事告発の可能性まで提起した。

 オレオクッキーで有名な米国の多国籍食品企業モンデリーズ・インターナショナルは昨年11月14日、キム・アンド・ジャンを通じて(株)クラシックケーキ・コリアに「権利侵害中止要請」が同封された内容証明郵便を送りつけた。同社は「モンデリーズのフィラデルフィア(PHILADELPHIA)と類似したフィラデルフィア・チーズケーキ(PHILADELPHIA CHEESECAKE)などのロゴ使用を中断し、(当時特許庁に申し込んで出願審査中だった)ロゴを自主的に取り下げよ」とクラシックケーキ・コリアに要求した。

 モンデリーズは「(自社は)フィラデルフィア商標に対する権利者として、韓国内でこれらロゴに対して多数の商標登録を保有している」とした上で、「(要求が受け入れられなければ)民刑事上のすべての措置を含み必要なすべての法的措置を取る準備ができている」と強調した。

 同社は国内で2003年から「フィラデルフィア・チーズケーキ」と「フィラデルフィア・クリームチーズ」などを販売している。それぞれ年間売り上げ100億ウォン(約11億円)、200億ウォン(約22億円)ほどだ。クラシックケーキ・コリアは昨年10月、ソウル鍾路区楼下(ヌハ)洞にカフェをオープンし、米国から輸入したフィラデルフィア・チーズケーキを直接販売したり納品する事業を始めた。

 ところが、モンデリーズは「フィラデルフィア」という名前に対する独占的権利を有していないことが分かった。今年3月末、特許庁はフィラデルフィア・チーズケーキの表記を使うクラシックケーキ・コリアを商標で登録した。

 クラシックケーキ・コリアの依頼を受けたキム・ジョンス弁理士は「2005年に特許庁はモンデリーズが提出した『フィラデルフィア(PHILADELPHIA)』という表示に対する商標出願を断った」と語る。商標法は有名な地理的名称は商標登録を受けることができないように制限している。ある弁護士は「ありもしない権利に対し権利侵害を持ち出し、超大型ローファームを利用して小規模業者の営業行為を萎縮させている」と指摘した。さらにクラシックケーキ・コリアの商品がフィラデルフィアで製造されたのとは異なり、モンデリーズの商品は米国イリノイ州で生産されている。

 クラシックケーキ・コリアと納品契約を進めていた6つの流通業社のうち5社は、モンデリーズが内容証明を送った話を聞きつけ、交渉を中断した。ハンギョレは先月20日からモンデリーズと(株)東西が50%ずつ出資して作った東西食品を通じ、モンデリーズ側の見解を数回求めたが、4日まで回答はされていない。東西食品は「この問題に関与していないため事情がよく分からず、立場を表明できない」と明らかにした。

ウム・ソンウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-05-04 22:13

https://www.hani.co.kr/arti/society/area/689813.html 訳Y.B

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