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大型スーパーに押され韓国から文具店がなくなっていく

登録:2015-04-10 20:26 修正:2015-04-11 07:00
中小企業適合業種に指定されずなくなるまで放置される
統計庁の資料では文具店は2000年代に入り毎年1000店ずつ減っている。写真は京畿道富川市遠美区深谷洞の遠美文具店 写真キム・ミヨン記者//ハンギョレ新聞社

 学用品を買いに来る人はなく
 売上の大半が買い食いとゲームマシン
 それも減って毎年1000店ずつ消滅
 「大型マートは販売品目制限すべき」要求
 業界の反発に同伴成長委 再調整に乗り出し
 カード端末機設置など自助努力も必要

 その日、最初のお客さんは店を開けて40分後に入ってきた。制服を着た女子中学生は、1万ウォンの文化商品券を渡して、菓子(100ウォン)と履き物袋(1500ウォン)を買った。 現金では返せない釣り銭は、文具店の黒板に生徒の名前と一緒に書かれた。 その後、小学生のお客さんがチラホラ入ってきたが、お客さんの財布からはチャリンチャリンとコインだけが出てきた。 登校時刻である午前9時以後には客足は途絶えた。今月1日に訪ねた京畿道富川(プチョン)市の遠美小学校裏にある遠美文具店の午前中の売上は1万ウォン(約1100円)には達しなかった。

 文具店の主人イ・ジョンムン氏(60)は大企業で12年間勤務して、いわゆる“名誉退職”後にこの文具店を構えた。いつのまにか文具店を始めて19年になるという彼は「今年ほど売れないのは初めて」と話した。 現在は小学校の周辺にある文具店は2軒に過ぎないのに、9軒の文具店がひしめいていた時より商売にならない。 休みが長くなって、遊ぶ土曜日ができて、夏冬休みの間も週末には店を開けても閑古鳥が鳴いている。学習準備物が要らない学校支援制度と大型マートがきてから文房具を買いに来るお客さんは一層減った。 今では一日の売上が多い日でも14万ウォンだ。3月は新学期で本来商売繁盛する筈の月だが、3月の売上も充分ではなかった。月額50万ウォンの店賃は昨年12月から滞納になっている。

 そんな彼にも一日200万ウォンも売れた好い時期はあった。 運動会の日は、運動服と応援道具を買いに来る人で店内は足の踏み場もなかった。 しかし、今は文具店の売上の大部分が、安い買い食いと文具店の3分の1を分割した空間で売るうどんなどだ。ノート、筆記具などの学用品は買いに来る人は多くない。徒歩10分の所に大型マートができて、2万ウォン台のリズム楽器セットのようなものはもう仕入れもしない。下校時間の午後1~4時の間に瞬間的に集まって来た子供たちも、学用品ではなくちょっとした買い食いとゲーム機にだけ手をつけた。

 「大型マートで売っていないものはなく、細々と路地裏で商う人々はどうすればいいのでしょう。 時代が変わったと言うけれど、近隣施設として存続させなければならない業種もありますよ。 文具店は路地裏でよろず屋の役割をしてきたのですが、どんどん潰れています。画用紙一枚買いに大型マートまで行かなければならなくてもいいのでしょうか?」

 統計庁の資料によれば、全国の文具小売店は1997年に2万6914店舗で頂点を打った後、2000年代に入って毎年1000店舗ずつ減っている。 2012年基準で文具小売店は半数以上の8743店舗が年間売上5000万ウォン(約550万円)以下の零細店舗だ。韓国の文具市場規模は1兆6000億ウォンだ。このうち、学用品市場の規模は業界推算で約5000億ウォンだ。 残りはフランチャイズ事務用品市場だと見ている。同伴成長委に提出した大型マート3社の文具売上は約2500億ウォンで、学用品市場の半分を占める。 2011年に施行された学習準備物制度に続き、大型マートの攻勢により難しくなった文具店業界は2013年8月、同伴成長委に文具店を中小企業適合業種に指定してほしいと申請した。 だが今年3月、同伴成長委は大型マートに割引行事の自制、束単位販売などの自律的事業縮小を勧告するにとどまった。

 これに文具店業界が反発すると、同伴成長委は再び再調整に乗り出した。 5日までに大型マートと文具業界の双方に意見書を出すようにし仲裁を進行中だ。 イ・ソンウォン全国学用文具協同組合事務局長は「町内の文具店が生き残るためには大型マートが販売する学用品の品目制限が必要だ」と話した。 同伴成長委は「両者の協議を通じて適合業種指定を努力中」と話した。 ある大型マート関係者は「大型マートにとって文具は商品の品揃えに過ぎないので、売上に及ぼす影響は少ない。 そして、大型マートの販売額よりアルファのような大型事務用品フランチャイズの売上がさらに大きいのに、我々だけがターゲットになる状況がちょっと不本意だ」と話した。

 滅亡の危機に瀕した町の本屋が図書定価制などの自助努力で復活しているように、文具店自らも変わらなければならないという指摘もある。 イ・ソンウォン事務局長は「学習準備物がない学校制度、大型マートなど文具店を脅かす外部環境要素が今はとても大きい。 町の書店のように壊滅状況になる前に、このような外部環境制約を減らすことが至急必要だと見る。適合業種指定を通じて気持ちが落ち着けば、今も努力中であるカード端末の設置とか価格政策、古くて非衛生的という認識をなくすための努力をしていくだろう」と話した。

文・写真 キム・ミヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/686204.html 韓国語原文入力:2015-04-09 22:18
訳J.S(2349字)

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