本文に移動
全体  > 経済

韓国の最低賃金、若者に不満の声が高まっている

登録:2015-03-08 22:39 修正:2015-03-09 07:24
女性や非正規労働者から低賃金青年たちの問題に
 自治体で施行中の生活賃金条例も焦点に
アルバイト労組会員たちが2014年6月27日午前、ソウル中区の光化門広場で「僅か300ウォン水準で労働者の暮らしを云々する最低賃金委員会、いっそ解体してしまえ!」と最低賃金制の廃止を主張している。 キム・ソングァン記者//ハンギョレ新聞社

 セヌリ党と政府が6日、内需振興と所得分配改善のために今年の最低賃金引き上げに協力することを明らかにした中で、最近は最低賃金の決定を巡る論争地形が変化を見せている。 二大労組など既存組織の労働団体だけでなく、最低賃金適用の主要当事者としてますますその数が増えている低賃金青年就業者の声が高まっていて、ソウル市など地方自治体で施行中の生活賃金制度も考慮されだしている。

 まず、最低賃金の当事者が伝統的な女性や非正規労働者、零細企業から、今は低賃金青年のイシューとして浮上している。 広範に拡大している低賃金の青年が最低賃金の主な利害当事者として新たに浮上し、最低賃金を巡る政策的目標も変化している。 韓国労働研究院のイ・ジャンウォン研究委員は「昨年から最低賃金の決定を巡り政界と青年団体側の発言と内容が強まった」として「最低賃金委員会の審議過程で(青年ユニオンなど)青年層代表団体の声が既存の二大労組団体に埋もれることなくより鮮明になっている」と話した。

 ソウル市などいくつかの地方自治体が施行中の“生活賃金”条例も最低賃金決定にとって直間接的な問題として浮上した。全国に適用される最低賃金より高い水準の生活賃金を条例で制定した地方自治体は、ソウル市、京畿道、ソウル市の城北(ソンブク)区と蘆原(ノウォン)区、京畿道富川(ブチョン)市などだ。 韓国労働社会研究所キム・ジョンジン研究委員は「生活賃金は、最低賃金が適正生活水準保障という本来の機能を遂行できないため、これに代わる目的で提起された」として「生活賃金は『公正賃金』に対する根本的問いかけを投じた」と話した。 各地域で生活賃金が新たな代案として提示され、自然に『低い最低賃金』という社会的基準に対する論争が加熱しているという話だ。

 これに伴い、以前から使ってきた“単身世帯勤労者(最低)生計費”という最低賃金算出・決定基準から離脱しなければならないという主張が高まっている。 終盤に「もう100ウォン上げて、終わりにしよう」というようなやりとりで最終決定してきた慣行から抜け出して、最低賃金を(2人以上の)貧困層世帯の主要賃金所得源の一つと見るべきだという要求だ。 イ・ジャンウォン研究委員は「中小企業や非正規労働者が最低賃金にかける期待感も非常に高くなっている」として「最低賃金が今やその適用対象者だけでなく、広範囲な低賃金勤労者たちが期待する普遍的で重要な労働基準に変化中」と話した。 賃金不平等と所得分配構造悪化の中で、今や最低賃金の社会的関心が最低労働力再生産費用を超えて、社会保障および分配政策の側面に移っているということだ。

 韓国労働社会研究所のキム・ユソン副所長は「過去数十年間、最低賃金が雇用に否定的効果を招くか、あるいは肯定的効果を招くかを巡って労働経済学者間で多くの実証分析と論争があったが、これは政策立案者や低賃金労働者にとっては重要でない」として「最低賃金論争は低賃金労働者の生活条件改善に合わせる側に変わらなければならない」と話した。 一方、民主労総と韓国労総は、今年の最低賃金(現行時間当り5,580ウォン)について“1万ウォン”争奪を掲げていて、韓国経営者総協会は「2000年以後、最低賃金の急激な上昇にともなう負担が大きい。

チョ・ゲワン記者お問い合わせ japan@hani.co.kr
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/681280.html 韓国語原文入力:2015/03/08 16:39
訳J.S(1701字)

関連記事