総投資金額204億ウォンの237倍に膨らむ
イ・ハクス前副会長、キム・インジュ社長は
株式持分価値がそれぞれ146倍・160倍に
「不当な方法で相場差益」
政界、対策摸索など非難殺到
サムスングループ、世論の推移見て苦心
社会還元の声が高まるか懸念
サムスンSDSが14日に上場し、サムスングループが苦心している。 イ・ジェヨンサムスン電子副会長ら3兄妹とイ・ハクス前副会長、キム・インジュサムスン先物社長らが得た上場差益が5兆ウォン(1ウォンは約0.1円)台に達するためだ。過去に不法経営権継承論議で苦労をしたのに続き、今回は莫大な上場差益にともなう社会的世論の去就が負担になる。
サムスンSDSの株価はこの日、公募価格19万ウォンの2倍である38万ウォンで始まり、32万7500ウォンで取引を締め切った。 これに伴い、イ・ジェヨン副会長ら三兄妹が保有している株式持分価値は4兆8281億ウォン規模と評価された。 イ副会長は2兆8401億ウォン、イ・ブジン、イ・ソヒョン社長はそれぞれ9838億ウォンの評価差益を得たことになる。 3人の総投資金額である204億ウォンが237倍にも増えたわけだ。
また、イ・ハクス前副会長とキム・インジュ社長の投資に対する差益も侮れない。 イ前副会長とキム・インジュ社長はそれぞれ69億ウォンと27億ウォンを投資して保有した株式持分の価値が1兆68億ウォン、4330億ウォンに達した。 2人の持分価値がそれぞれ146倍、160倍に増えたわけだ。
政界では今回の上場差益に対して連日のように批判が出ている。 新政治民主連合パク・ヨンソン議員は、不法行為で手に入れた利益を還収する、いわゆるイ・ハクス特別法を準備している。 また、ウ・ユングン院内代表も「イ・ジェヨン副会長ら三兄妹が不当な方法により安値で株式を買収し、(未実現の)相場差益を何と7兆ウォンも手に入れた」として、対応方案を摸索中だ。
このためにサムスングループ未来戦略室は、世論の推移を見回すと同時に対策準備に苦心している。上場初日から株価が公募価格の2倍に急騰したことに対して、喜ぶ代わりに“アリ投資家”に言及して、株式取引過熱様相に憂慮を示している。
サムスングループ関係者は「2010年にサムスン生命が上場した時も、時間の経過につれて株価が下落した」として「総帥一家の持分保有などでサムスンSDSの株価が上がることに対する心配がある」と話した。 同時に社会還元の声に対しても懸念している。 未来戦略室はマスコミはもちろん関連専門家たちに世論の推移と対応方法について問い合わせ中だ。
金融市場内外では、イ・ジェヨン副会長らが株式を売りに出すことは難しいと判断している。匿名を要請したある証券会社アナリストは「経営継承のために莫大な相続税を用意しなければならない状況で、これを還元することは容易ではない」とし「代わりに公益財団に寄付する形で持分を放棄しつつも経営権は維持する方案を考慮できるだろう」と話した。
経済改革連帯キム・サンジョ所長(漢城大学教授)は「サムスンSDSの上場で、イ・ジェヨン副会長らが得る利益は天文学的だが、すでに司法的判断は終わった状況」であるとし「国会で利益還収のための法律に関する議論があるが、現実的に考えて遡及適用することは不可能に見える」と話した。 また「法が作られても、不法行為に加担することなく単純に恩恵を得た人を適用対象に含ませることも難しい」として「(イ副会長ら)当事者が自ら、より良い未来のために判断することが正しい」と付け加えた。