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「韓国大企業の支配構造問題が株式市場の価値を下げている」

登録:2014-10-14 21:14 修正:2014-10-15 14:49
パク・ユギョン オランダAPG理事
パク・ユギョン オランダAPG理事//ハンギョレ新聞社

世界3大年金基金の資産運用会社に所属
企業ガバナンス問題調査のために訪韓
「韓国の代表企業は支配構造に問題
株式市場を魅力も損ねている
政府の再発防止措置に関心示す
短期浮揚より持続可能なシステムを」

「非常に大きなショックを受けました」

 オランダ系年金投資会社「APG」のパク・ユギョン(写真)企業支配構造担当理事は14日、『ハンギョレ』とのインタビューで「先月、現代自動車グループによる韓国電力土地購入の一件と“KB(国民銀行)事態”を知らされた外国系機関投資家は当惑せざるをえなかった。韓国の代表的な企業に見られる支配構造の問題が、韓国の株式市場の魅力を損ねている」と話した。

 パク理事は、10兆5500億ウォン(1ウォンは約0.1円)に及ぶ韓電土地の入札価格の決定と、これに対する現代自動車グループ側の説明などからは、合理的な意志決定の過程を見出しがたかったと話した。 現代自動車は今回の入札過程が総帥一家の独断的意志決定で決まったのではないかという批判を受けている。 パク理事は「韓国の株式市場の“ダイナミズム”が低下した中で、現代自動車はそれなりに外国投資家の間で“買い”意見が多かったが、今回のことで株主価値が大幅に毀損された」として「相当数の機関投資家がこれと関連したスペシャルリポートを作成している」と伝えた。

 APGは世界3大年金基金に数えられるオランダ公的年金(ABP)の資産運用会社だ。 今年6月末基準で運用している年金資産は500兆ウォンに達する。 同社の香港事務所でアジア・太平洋地域の企業を担当している彼女は、今回の訪韓目的について「最近数か月間、韓国の代表的企業で起こったガバナンス(支配構造)問題の原因を把握するため」と話した。

 今回の訪韓日程には、当該企業のIR担当者だけでなく、金融当局や政府関係者たちとの面会も含まれている。 初日の13日には、金融委員会のチョン・チャヌ副委員長、クォン・テヨン金融政策課長ら面談したのに続き、14日には韓国証券取引所を訪問し、15日には商法を担当する法務部関係者たちと会う予定だ。 彼女は「韓国政府に最近起こった支配構造の問題が一過性のものか、あるいは制度的かつ組織的に起こった問題であるかについて質問した」として「政府が再発防止のためにどのような措置を取るかに関心がある」と話した。 パク理事は今回の訪韓結果を香港などに事務所を持つ他の機関投資家らとも共有する計画だ。

 最近、韓国内の株式市場で外国人資金離脱現象が目立っていることについて、パク理事は「マクロ経済的要因から始まった側面はあるが、代表的企業たちの支配構造問題とも関連が深い」と指摘した。 韓国株式市場全体の魅力度を計る重要な基準になっているという話だ。 彼女は「(韓電土地の購入決定をした現代自動車理事会を見れば)株主を代弁しなければならない理事会が、事実上作動していないようだった」として「KBの場合にも経営陣と社外重役が全く自らの役割を果していないので、むしろ大株主が入る方がマシだという話が出てくるほどだった」と評した。

 アジア全体として見ても、企業支配構造は重要な話題に浮上している。 パク理事は「日本でも安倍政権が企業支配構造の改革を推進し、投資家とのコミュニケーションを拡大し、より多くの外国人投資家が参入するようにしている」と話した。 伝統的に日本企業は株主に対する考慮が大きくない閉鎖的構造だったために、このような変化に注目する必要があるということだ。

 今月中に金融委は株式市場活性化方案を出す予定だ。 パク理事は「長期投資をする立場から見れば、短期的に証券市場を浮揚させることに偏るよりは、持続可能なシステムを用意することの方が重要だ。 企業支配構造の健全性を回復し、市場に信頼を与えるならば株主は離れないだろう」と強調した。

ファン・ボヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/659766.html 韓国語原文入力:2014/10/14 20:10
訳J.S(1775字)

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