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「貿易開放・高為替レート政策が所得不平等を拡大する」

登録:2014-06-24 19:59 修正:2014-06-24 22:35
韓銀経済研究院次長論文

高為替レートと貿易開放拡大を骨格とする輸出中心の成長政策が不平等を拡大させたという研究結果が出た。

 22日キム・スンウォン韓国銀行経済研究院ミクロ制度研究室次長(経済学博士)が、韓国経済研究学会<韓国経済研究>最新号(第32巻第1号)に寄稿した‘貿易開放・為替レート・金利と所得分配の関係’論文によれば、貿易開放度の上昇と通貨価値下落、金利下落は所得分配の悪化を伴うことが明らかになった。 今回の結果は、韓国を含め経済協力開発機構(OECD)に加入している25ヶ国の1980~2010年の所得と分配指標など20年分の年間資料を分析して出したものだ。

 キム次長は論文で「開放度の拡大が所得分配の悪化を伴う傾向が一貫して現れる」として「このような分析結果は、貿易開放の拡大で現れた賃金上昇および輸入材価格の下落など分配改善要因に比べて、比較劣位の部門の雇用萎縮など分配悪化要因が相対的に強く作用している可能性を示している」と明らかにした。 彼は更に「輸出依存度が高い経済であるほど、輸出と内需部門の不均衡拡大を誘発し、分配が悪化しうることを示している」と明らかにした。 韓国は1997年の外国為替危機以後、貿易開放を積極的に推進し最近では全世界の61.4%(締結国領土基準)と自由貿易協定(FTA)を結んでいるほどに貿易開放度が高い。

 輸出大企業の価格競争力を育てるための高為替レート政策も、所得分配を悪化させたことが分かった。 論文は「通貨価値が下落(為替レート上昇)する場合、輸出部門が内需部門に比べて相対的に有利になるので、非交易材部門から交易材部門に所得が移転され、所得分配が悪化しうる」と明らかにした。 例えば高為替レートで韓国通貨の価値が下がれば輸入材価格が上がり、国内の多数の消費者と内需企業は相対的に損害を被ることになり、輸出大企業は利益を得る構造だ。

 キム次長は論文で「分析結果は経済成長自体を手段ではなく目的と見なし、成長率向上のためにマクロ政策手段を動員する場合、所得両極化などの弊害を伴う危険が高いことを示している」と明らかにした。

リュ・イグン記者 ryuyigeun@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/643901.html 韓国語原文入力:2014/06/24 19:23
訳J.S(1045字)

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