順風に帆をかけたように設備復旧に余念の無い開城工業団地入居企業に対し、取引先も続々と再契約協議の肯定的応答を送っている。
入居企業から納品を受けるファッション企業‘シューペリア’のキム・テファン代表は去る23日、ソウル狎鴎亭洞(アックジョンドン)のあるカフェで<ハンギョレ>と会い「開城(ケソン)工業団地は私たちの会社の立場では戦略的要衝地だ。 今後の正常化と持続的な生産に対する期待が大きい」と話した。
キム代表はこれに先立って工業団地正常化が可視化された22日、自身と取引している5社の入居企業代表に携帯メールを送った。 「社長! 開城工業団地問題でこの数ヶ月間、心労焦燥、夜もおちおち眠られなかったと存じます。 …私どもシューペリアは今後も持続的に安定的開城生産のために最優先で協議し支援します。」携帯メールは4ヶ月を超える間、天国と地獄を行き来した入居企業代表には大きな慰安として届けられた。 納品開城入居企業‘ナインモード’のオク・ソンソク代表は 「その苦労の末にこのような敬愛メールを受けたので感慨無量だ」と話した。
入居企業らは去る22~23日の正常化合意後、初めて北韓を訪問し施設点検を終え、今週(26~30日)から復旧作業が真っ最中だ。 だが、ハードウェア(設備)に劣らずソフトウェア(取引先)もやはり重要な問題だ。 4ヶ月を超えて稼動が中断されたことで、企業等が受けた信頼度に関する打撃が大きいためだ。 キム・テファン代表はこれについて「共に解決していく問題と見る」と話した。 「その方のあやまちでもなく、不可抗力的な南北問題によって発生したことであり、この間開城工業団地のおかげで共に大きくなった私たちとしては生産を再開し、共に正常化に努めていくべきと思います。」 供給される物量全体の13%ほどを開城生産品で充当しているシューペリアでも、この間の稼動中断による打撃は侮れなかった。 キム代表はしかし、開城は無視できない長所が大きいという。 「車でこれほど近距離にこのような価格競争力を備えた生産地を見つけることは開城でなければ不可能です。 即時反応生産が可能です。 互いに言葉が通じるという長所もあって、これまで培った技術力もあるので、東南アジアなど他地域よりはるかに魅力的でしょう。」 シューペリアは稼動中断されている間、国内と海外の他の生産業者に一部物量を回したが、工業団地稼動再開の状況に合わせて次第に取引先を開城に復元する計画だ。
ファッション大企業も‘取引正常化’手順を踏んでいる。 衣類・繊維分野の企業は総計123社の開城工業団地入居企業の内、約60%で過半を占める。 これら企業の最も最大の得意先は第一毛織、LGファッション、コーロンなどの国内大企業だ。 第一毛織は稼動中断により納品を受けられなかった今年の秋・冬商品の納品再開を最近入居企業に要請した。 また、来年の春・夏新商品の契約と関連した協議を今週中に推進する計画だ。 第一毛織関係者は 「第一毛織はこれまで、入居企業の事情を勘案して契約を切ったり賠償を要求せずに、そのまま維持してきた。 協議を通じて正常化されれば納品を再び受ける計画」と話した。 LGファッションも同じく業者との契約をそのまま維持し段階的に納品物量を増やし受ける方針だ。
コーロンは工業団地が正常化されればロックされていた中間品で生産した物量も全て受ける計画だ。 コーロンのクォン・ヒョクホ部長は 「今回の事態によって損害賠償を請求したり受取拒否などはしないというのが会社の原則」と話した。 コーロンは来年の春・夏商品について製造協力業者と議論を進行中だ。
だが、電子・機械・金属企業側は、更に事情が深刻だ。 ある入居企業関係者は「電気・電子など企業の海外バイヤー(取引先)の場合、一部部品の遅延で最終製品の完成時期が遅れるのを待てないので、納品入居企業の取引先復旧は容易でないだろう」と話した。
一方、ロッテマートは28日、産業通産資源部と連係して29日から翌月8日までソウル蚕室(チャムシル)店と中渓(チュンゲ)店など首都圏5店舗で‘開城工業団地優秀商品特別企画展’を開くと明らかにした。 納品先が見つからない企業らの製品の内、売れるものを消費者の手ににつなげ、厳しくなった資金事情を助けるために用意した行事だ。
クォン・オソン記者 sage5th@hani.co.kr