リンゴを封印する実験は成功だった。 イーマートが去る5日京畿道(キョンギド)利川市(イチョンシ)フレッシュセンターの先端新鮮食品保存施設であるCA(Controlled Atmosphere)貯蔵庫で6ヶ月経って取り出した慶北(キョンブク)聞慶(ムンギョン)産リンゴ200tは、昨年秋の収穫当時の新鮮度をそのまま維持していた。 収穫期水準の価格である1袋(約1.3㎏)当たり6,800ウォンで全国146の売場に出て行ったリンゴは1週間でほとんど完売した。
本来リンゴは4~5月になれば果肉がもろく砕けやすくなり、皮にシワができ始める。 一種の老化現象だ。 そのために5月からはアオリ品種が収穫される7月まで品質を維持したフジの価格は跳ね上がる。 イーマートはCA保存技術でリンゴの老化を防いだ。 既存貯蔵庫は温度と湿度を調節するにとどまるが、CA貯蔵庫は空気を完全に密閉した後に質素を注入して酸素濃度を調節する。 大気中の酸素濃度が21%であるのに比べ、今回リンゴを保管したCA貯蔵庫内部の酸素濃度は5%だ。 酸素を減らしてリンゴの呼吸を最小化し、収穫当時の新鮮度を維持した‘時間に逆らったリンゴ’が誕生したのだ。
リンゴの新鮮度を維持する実験はリンゴの流通過程を変化させる実験でもある。 今までイーマートは可楽市場(カラクシジャン)や産地農協などからその都度リンゴを購入してきたが、今後は農家から収穫期に大量購入し長期間保存しておき売場で売れることになった。 リンゴだけではない。 すでにイーマートはチリ産青ブドウを2ヶ月以上新鮮度を維持したまま保存することに成功し、越冬ハクサイも2ヶ月間保存して販売した。 ニンニク、スイカ、桃などを長期保存する実験も進行中だ。
イーマートの実験は朴槿恵(パク・クネ)政府が最近発表した‘農産物流通構造改善総合対策’と脈を同じにする。 可楽市場(カラクシジャン)など中間流通段階を経ずに生産者から直接農産物を購入する比重を増やし、結果的に流通費用を15%ほど減らすというのが先月27日政府が発表した総合対策の核心だ。 大量購買と長期保存が可能なイーマート フレッシュセンターと政府総合対策が持たらす未来に農家と農産物流通業従事者の注目が集まっている。
ユ・シンジェ記者 ohora@hani.co.kr