‘選手’が‘審判’を兼ねる競技
国内原発政策と運営を象徴的に表わす言葉だ。 50年を超えて続いてきた構造の中で、最近2年間に明るみに出た原発関連事故と不正は‘氷山の一角’に過ぎないという指摘が出ている。 ‘選手’と‘審判’を兼ねる、いわゆる‘原発マフィア’らが市民の安全と電力供給体系を揺るがしている。
最も大きな問題は先月28日に弾けた不良制御ケーブル納品と試験成績書偽造事件がこれで終わりではないかもしれないという点だ。 原子力安全委員会(原安委)も「(今後)類似の事例が出てくる可能性もある」と認めている。 2日、韓国水力原子力(韓水原)の入札情報を調べれば、今回制御ケーブルを納品したJS電線の場合、2011~2013年間ハンビット(霊光)原子力発電所、古里原子力発電所などに安全性等級(Q等級)ケーブルも多数納品してきたことが明らかになった。 書類偽造と関連した試験機関であるセハンTEPも昨年教育科学技術部長官賞を受けるなど‘優秀業者’と認められ、着実に品質点検を担当してきた。 昨年の国政監査資料を見れば、2008~2012年の間に不正にかかわって入札資格制限を受けた業者の中で4ヶ所が大統領表彰を受けたり‘共生協力優秀原子力企業家’等に選ばれた業者であった。 韓水原は300万点に及ぶ原発部品と安全性点検を1000社余りの業者と7ヶの試験機関に任せているが、現在原発の安全性を誰も断言できなくなったわけだ。
これは根本的に1956年文教部技術教育局に原子力課ができて以来、50年余り受け継いできた‘共生関係’の中で腐ったものがさく烈したという批判が出ている。 国内原子力関連業界の共生関係を一貫して指摘してきたチャン・ジョンウク日本松山大経済学部教授は「問題が起きる度にきちんとした責任追及と処罰なしで今まできた」と指摘した。 国内の原発安全と監視体系は2011年10月に原安委がスタートする前まで原発振興政策を担当する科学部署(旧 教育科学技術部など)の中にあった。 原子力関連法規も50年余りの間‘原子力法’単一体系で維持されており、2011年7月に原子力振興法、原子力安全法、原子力安全委員会法などに分離制定された。 これは国際原子力機構(IAEA)の長期にわたる指摘事項だった。
原安委が2011年以後には規制機関の役割をしているものの、依然として‘選手’と‘審判’は入り乱れている。 現在イ・ウンチョル原安委委員長とカン・チャンスン前委員長は韓国原子力学会の出身だ。 学会には原発建設に関連した斗山(トゥサン)重工業、三星(サムスン)物産役員も所属している。 専門性の領域という理由で原子力振興機関と規制機関の間に‘回転ドア人事’がなされざるを得ない構造だ。 原子力研究開発(R&D)予算と安全監視予算の一部も原発事業者である韓水原が負担するなど独立性も不透明だ。
チャン・ジョンウク教授は「韓国の原発政策は安全より経済性の論理に振り回されてきたし、政府と規制機関は利害当事者が席を占めている。 今後も原発関連不正は玉ネギの皮を剥くように出てくる恐れがある」と指摘した。
イ・スンジュン記者 gamja@hani.co.kr