不良ケーブル交換 4~6ヶ月かかる
75ヶの市民団体が一つになった‘共同行動’
"電力需給を口実に安全に目を瞑った結果"
継続する電力難に政府は‘ブラックアウト’(大規模停電)危機を強調して、国民と企業らに節電を訴えた。 電力需要の急増時、工場稼動を調節する産業体などに代価として支給する補償金は昨年すでに4000億ウォンを越えた。 政府と韓国電力は今冬の電力難を理由に慶南(キョンナム)密陽(ミリャン)送電塔工事を強行していたりもする。 だが相次ぐ原子力発電所の故障と昨冬の原発部品検証書類偽造事件、今回弾けた‘不良ケーブル’供給事件など、国内電力の30%を占める‘原発リスク’がむしろ電力難を煽りたてている状況だ。
■原発3基 今年の稼動は不透明…電力状況赤信号
28日ハン・ジンヒョン産業通商資源部2次官は「当初から今夏の電力需給が難しいと予想していたが、不良ケーブル交換期間中3基の原発が追加停止するため類例のない電力難が憂慮される」と明らかにした。 不良ケーブル交換期間が4~6ヶ月かかると展望される中で、そうでなくても電力消費が多い夏を控えて供給能力が300万kW減ったためだ。 産業部は当初電力消費が最も多い8月第2週に予備電力が100万kWに下がると展望した。 節電と企業の操業中断などの対策で電力難を突破する計画だった。 だが、今回の事件で予備電力は-200万kWに墜落する展望だ。 夏にはいつでも電力警報に‘赤信号’が点りうるという話だ。
気象庁の予報でも6月の気温が平年より高いとされており、直ちに6月から電力非常状況が発生することもありうる。 通常、原子力発電所と火力発電所は夏を控えて4~5月に大規模整備に入る。 原子力発電所だけでも計画整備中の発電所まで含めれば、この日現在で10基が停止している状態だ。 ハン・ジンヒョン次官は「6月から供給支障で需給非常状況が発生する可能性が高い」と明らかにした。
■老朽原子力発電所 故障、納品不正…原発 安全性 崩壊
昨冬も原子力発電所部品の検証書類偽造と、老朽原子力発電所の故障、継続運転審査などで電力供給に支障があった。 昨年11月には部品検証書類偽造事件でハンビッ(霊光) 5・6号機が2ヶ月間にわたり稼動を止めた。 当時、検証書類が偽造された341品目6494ヶの部品が古里(コリ)・ハンビッ原子力発電所に設置され、政府が部品交換と全数調査を始めた経緯がある。
原子力発電所の老朽化も問題だ。 昨年11月、30年の設計寿命が終わり寿命延長(継続運転)審査中の月城1号機は今年中に再稼働が決定される方針だが、安全性確保論難が絶えない。 稼動中の原子力発電所23基の内、9基が1970年代後半~1990年に運転を始めた。 最近頻繁な故障停止が発生している理由も原子力発電所の老朽化と関連があるという見解がある。 蒸気発生器の伝熱管亀裂で1年にわたり停止中のハンウル(蔚珍(ウルチン))原子力発電所4号機、制御棒案内管亀裂で現在停止中の霊光3号機の場合、インコネル600という金属の欠陥により整備中だ。
■稼動率90%…過度な原子力発電所依存
政府は原子力発電所の稼動率90%以上ということを、わが国原子力発電所の優秀性として広報した。 原発の輸出を拡大する目的だった。 だが、公企業先進化計画などで発電所現場の人材を減らし、電力難が続いて、原子力発電所は休む暇もなく回った。 発電所現場のある職員は「整備人材は減り、交替勤務人材も減ったが、原子力発電所の故障・停止を防ぐために労働強度は上がった」と話した。 実際、原子力発電所の交替勤務者数は15人内外から10人に減り、発電所職員は高い業務負担を訴えている。
75ヶの市民・社会団体で構成された‘核なき社会のための共同行動’は、この日論評して「原子力発電所の安全に致命的なこのような問題が継続的に発生している理由は、電力需給を口実に原子力発電所の安全問題を度外視しているためだ。 今回のように安全問題によって突然長期間稼動を中断せざるを得ない状況が生じることがある。 安いという理由で原子力発電所中心の供給に焦点を合わせた既存の電力政策を今すぐに大幅に変えることが必要だ」と批判した。 イ・スンジュン記者 gamja@hani.co.kr