昨年3月の韓-米自由貿易協定(FTA)発効後、初めて協定のせいで公共政策がブレーキをかけられた事例が確認された。
6日の国会会議録を見れば、‘低炭素自動車協力金’制度の施行が遅れた理由として、韓-米自由貿易協定が明示されている。 ユン・ジョンス環境部次官は昨年11月、国会環境労働委員会法案審査小委員会で制度施行時期の延期を要求しながら「FTAで排出ガス猶予をしているものがある。 (中略)色々な差別を儲ければFTA規定でちょっと問題が起こり得る」と話した。
消費者が炭素排出の少ない車両を購入すれば最高で300万ウォンの補助金を支給し、炭素排出が多い車両を買えば最高で300万ウォンの負担金を賦課し温室ガスを減らす内容のこの制度は当初今年7月に施行予定だった。 政府はそのために1515億ウォンの予算まで策定していたが、昨年11月に突然既存の立場を変え施行時期を2015年に遅らせた。 当時政府は韓-米自由貿易協定の代わりに国内自動車業界と知識経済部の反発を理由に上げていた。
韓-米自由貿易協定発効後、協定のために公共政策が失敗に終わったことが明らかになったのはこれが初めてだ。 郵便局保険の限度額拡大と、掘削機の新規登録を制限する建設機械需給調節政策も自由貿易協定と衝突するという指摘によりブレーキがかかった経緯があるが、それは協定の発効以前だった。
韓国輸入自動車協会が昨年8月に環境部長官宛てに送った‘低炭素車協力金制度に対する意見’という内部文書でも、韓-米自由貿易協定違反という主張が提起されていたことが確認された。 無所属パク・ジュソン議員室を通じて入手したこの公文書を見れば 「この制度案は米国-韓国FTA協定に違反する禁止された貿易技術障壁になりえて、このような観点について米当局も共感している」と明らかにした。 更に 「韓国政府が韓-米FTAに基づいて両当事国が合意した議事録を性急且つ露骨に無視するこの制度案を継続考慮することは深刻な問題を惹き起こす」と明らかにした。
彼らが主張する韓-米自由貿易協定の内容は2011年に再協議を通じて合意したものだ。 最近この再協議に対してジョン アイケンベリー プリンストン大政治外交学教授ら3人は米国の外交専門紙<フォーリン アフェアズ> 1・2月号に 「韓国が安保のために自動車など核心条項で譲歩した」という趣旨の文(<ハンギョレ> 2月6日付14面)を掲載した。 両国は再協議で自動車燃費または温室ガス排出については‘新技術規定を用意する時はそれが非効果的だったり不適切な場合には導入できない」という趣旨で合意した。
一方、国会法司委は今月末、2015年低炭素車協力金制度施行などの内容を盛り込んだ大気環境保全法改正案を議論する予定だ。
イ・ジョンフン記者 ljh9242@hani.co.kr