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最高裁 "ISD, 深刻な法的混乱" 意見 提出していた

原文入力:2012/04/25 20:27(1983字)

←8ページ分量の'ISD検討意見書’

国会要求にも関わらず5年間非公開
主権侵害可能性など問題に
"請求対象から裁判排除" 強調
ISD再協議に反映されるか 関心

 最高裁が韓-米自由貿易協定(FTA)の投資家-国家訴訟制(ISD)に対して「深刻な法的混乱を招くことになる」という意見を政府に明らかにしていたことが確認された。 最高裁は司法府による裁判が仲裁対象に含まれており、米国投資家の仲裁請求が多いと予想されるという理由を挙げた。 この意見書は2006年6月、韓-米自由貿易協定交渉当時 法務部の要請により最高裁が作成したものだが、去る5年間一切公開されなかった。 保存期間(6年以上)が過ぎていないにも関わらず国会の資料提出要求に 「保管されていない」と答え、‘裁判所記録物管理規則’違反の指摘まで受けた。

 25日、最高裁法院行政処が国会外交通商統一委員会所属パク・ジュソン議員(民主党)に提出した‘韓-米自由貿易協定国際投資紛争解決手続き(ISD)と関連した検討意見’によれば、「米国投資家の仲裁請求がより多いと予想され、我が国の立場では提訴にともなう対応など相当な負担として作用し、仲裁請求対象から司法府の裁判を排除できないならば深刻な法的混乱を招くことになるなど問題が発生する恐れがある」としている。‘国際投資家紛争解決手続き’と‘投資家-国家訴訟制’とは言葉が違うだけで同じ意味だ。 これに対し最高裁は「投資家-国家訴訟制導入有無は国民の十分な意見収斂を経て判断するべきで、特に仲裁請求対象から司法府の裁判は排除するなど仲裁請求の対象と要件を具体的に特定し、その解釈と関連した紛争を防止」しなければならないと強調した。













■主権の侵害・法的不安定 招来

 8ページ分量の検討意見書を見れば、投資家-国家訴訟制の長所が半頁、問題点が3ページ分量を占める。 一番目の問題点としては主権侵害の可能性が挙げられた。 投資家-国家訴訟制を導入すれば、政府の各種政策や規制措置が干渉を受け、このような紛争に対して司法府が関与する余地がなくなり、国家の主権または、司法権が侵害されかねないということだ。 また、米国投資家がわが国政府を相手に直接仲裁を請求できるようにしており、外国人が内国人より多くの権利を享受し、平等権に外れる恐れがあると最高裁は分析した。 そのために先進国でも内国人逆差別批判が強い。 結局、2002年米国連邦議会は貿易促進権限法を制定し、米国市民より大きな権利を外国人に付与することがないよう行政府が投資交渉を進めることにした。

 二番目に司法府の裁判も仲裁請求の対象になることにより法的不安定および不安を招く恐れがあると最高裁は指摘した。 米国の裁判手続きと判決を仲裁機構が審判したロアン事件を具体的な事例として挙げた。 カナダの葬儀業者であるロアンが1995年米国、ミシシッピ州裁判所から5億ドルを賠償せよとの陪審員評決を受け、北米自由貿易協定(NAFTA・ナフタ)違反として投資家-国家訴訟を請求した事件をいう。 仲裁機構は棄却決定を下したが、司法府の裁判も仲裁対象であることを明確にした。

■公共政策 歪曲憂慮

 また、国家の公共政策歪曲問題が指摘された。仲裁機構が政府の各種政策を評価し審理することに伴い、公共政策が萎縮したり国家的混乱が発生する可能性があるという憂慮を示した。 だが、公衆健康、安定および環境などに関する政府政策は間接接収を構成しないという規定を韓-米自由貿易協定が含んでおり、ある程度は問題が解消されると最高裁は評価した。 最後に仲裁手続きの透明性問題も議論された。 韓-米自由貿易協定は第三者に法律意見書提出権限を付与し、3年以内に上訴機構を設置するかを協議するよう規定しており、ナフタよりは透明性と公正性が確保されるだろうとした。

 パク・ジュソン議員は「2007年韓-米自由貿易協定締結時、最高裁の検討意見がまともに反映されず昨年12月に現職判事166人が韓-米協定が司法主権を侵害するとして再び憂慮を表示した」として「来る6月に予定された投資家-国家訴訟制再協議(改正交渉)では最高裁の意見を必ず受け入れなければならない」と話した。 政府は韓-米協定の投資分野を協定発効(3月15日)後90日以内に米国と再交渉すると明らかにし、去る3月から協議案を用意するためのタスクフォース(TF)を運営している。

チョン・ウンジュ記者 ejung@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/529981.html 訳J.S