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「加齢に伴い睡眠時間が短くなる」は半分正しく半分間違い

登録:2023-01-04 06:24 修正:2023-01-04 07:32
33歳の時に底を打ち、53歳からまた増加 
性別、国、学歴に関係なく同じパターン
睡眠時間は生涯にわたってU字型曲線を描く=pexels提供//ハンギョレ新聞社

 睡眠時間は生活の質に大きな影響を与える。免疫および新陳代謝から認知能力と関連した脳活動に至るまで、細胞と遺伝子が作り出す多様な過程に関わるためだ。

 性別のような遺伝的要因だけでなく、人工照明のような環境的要因など、睡眠に影響を及ぼす要因は様々だ。特に年齢の影響が大きい。一般的に子どもの方が大人より睡眠時間が長く、若者の方が高齢者より睡眠時間が短い。

 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンが中心となった英国とフランスの共同研究陣が、睡眠時間が生涯にわたってどのように変化するかを究明した研究結果を国際学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に発表した。研究陣は韓国を含む63カ国で73万人の実験参加者から確保した睡眠時間の資料を分析した結果、睡眠時間の生涯周期はU字型の曲線をたどることが分かったと明らかにした。要約すると、睡眠時間は生まれてから持続的に減っていき、33歳の時に底をついた後、停滞状態に入るが、53歳からは再び増える。

 今回の研究は、ドイツテレコムとユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、ビデオゲーム開発会社の「グリチャーズ」が共同で進めたアルツハイマー研究で確保された資料に基づいて行われた。実験参加者たちは、道探し能力探索のためのモバイルゲームに参加し、同時に1日の睡眠時間を記録した。計390万人の参加者のうち28%が睡眠時間の記録を提供した。研究陣は統計の歪曲を防ぐため、モバイル機器に慣れていない70代以上の高齢者や睡眠時間10時間超過または5時間未満の人、実験参加者が500人未満の国は分析対象から除外した。分析の結果、人々の1日の平均睡眠時間は7.01時間であり、女性の方が男性より平均7.5分長く寝ていることが分かった。

若い頃短くなった睡眠時間は53歳から再び増える=ピクサーベイより//ハンギョレ新聞社

60代半ばに睡眠時間7時間を回復

 実験参加者のうち最も若い19歳の時の睡眠時間が平均7.4時間で最も長かった。その後、睡眠時間は20代と30代前半まで減り続け、33歳の時に6.9時間を記録し、減少速度が大幅に低下した。以後、睡眠時間には20年間、大きな変化は見られないが、53歳から再び増え始めた。1日の平均睡眠時間が再び7時間台に増える時は60代半ばだった。研究陣はこのような流れは性別、国、学歴に関係なく同じように現れたと明らかにした。

 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのヒューゴ・スピアーズ(Hugo Spiers)教授は「年齢と睡眠時間の関連性はすでに知られている事実だが、今回の研究は人生全体で3つの明確な段階があることを確認した最初の大規模な研究」だと語った。研究陣は中年期の睡眠時間の減少を招く要因として、育児や仕事を取り巻く環境が影響する可能性があると推論した。

 目を引くのは53歳以上で発見された7時間の睡眠と記憶力の関係だった。研究陣は二つの間に「明確な関連性」を確認したと明らかにした。この年齢層以上の老年期では、道探し能力で測定した認知能力が睡眠時間と逆さU字型の関係を成した。しかし他の年齢層では、道探し能力は睡眠時間の影響を受けなかった。

東ヨーロッパ―が最も長く、東南アジアが最も短い

 睡眠時間の生涯周期の曲線は世界共通だったが、平均睡眠時間は地域と国によって違っていた。睡眠時間が最も長い国はアルバニアやスロバキア、ルーマニア、チェコなど東ヨーロッパ諸国だった。これらの国の人々は睡眠時間が(全体平均より)20~40分長かった。睡眠時間が最も短い国はフィリピンやマレーシア、インドネシアなど東南アジア諸国だった。赤道に近いほど睡眠時間が短い傾向があり、韓国人の睡眠時間は下位20位で、平均より短かった。研究陣は各国の文化と地理的緯度が影響を及ぼすと分析した。 例えば、スペインやイタリアでは昼寝が習慣となっている。

 米国国立睡眠財団が長期間討論と投票を経て確定した年代別の推奨睡眠時間によると、幼い頃には1日10時間以上、成人になっては1日7~9時間の睡眠が必要だ。英国のケンブリッジ大学と中国の復旦大学の研究陣が英国の成人50万人のデータを分析した結果によると、中年以降の最適な睡眠時間は7時間だ。

* 論文情報

https://doi.org/10.1038/s41467-022-34624-8

Reported sleep duration reveals segmentation of the adult life-course into three phases.

nature communications

クァク・ノピル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/science/science_general/1074180.html韓国語原文入力: 2023-01-03 16:21
訳H.J

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