本文に移動
全体  > 文化

系外惑星「発見の時代」…5000個超え

登録:2022-03-24 02:57 修正:2022-03-26 09:33
初の発見から30年で…最短距離は4光年 
2020年代に数万個の発見を期待
天文学者の発見した系外惑星の数が5000個を超えた=NASA提供//ハンギョレ新聞社

 天文学者が宇宙望遠鏡などを用いて確認した系外惑星の数が5000個を超えた。系外惑星とは、太陽以外の恒星の周りを公転する惑星のことだ。1992年の初発見から30年での達成だ。

 米航空宇宙局(NASA)は21日、この日新たに65個の系外惑星が「NASA太陽系外惑星アーカイブ(NASA Exoplanet Archive)」に追加されたことで、これまでに発見された系外惑星の数が5005個に達したと発表した。同アーカイブは、査読を経た科学論文に掲載された系外惑星の発見を記録している。

 発見された系外惑星のうち、35%は海王星や天王星のような氷惑星、31%は地球より大きな岩石惑星である可能性の高いスーパーアース、30%は土星や木星のような巨大なガス惑星で、残りの4%が地球と似た、あるいはやや小さな岩石惑星だ。カリフォルニア工科大学が管理する同アーカイブの科学責任者ジェシー・クリスチャンセンさんは「これは単なる数字ではなく、これら一つひとつが新しい世界」だと述べた。

これまでに発見された系外惑星の分布図。円の大きさは軌道の大きさを示す=NASAの動画より//ハンギョレ新聞社

 1992年に乙女座で確認された最初の系外惑星は、パルサーとして知られる一種の中性子星(PSR 1257+12)の周りを公転する2つの惑星(PSR B1257+12 B、PSR B1257+12 C)だった。中性子星は高速で回転する星の残骸で、ミリ秒単位の速さで熱い熱を噴き出す。

 太陽に似た星の周りを公転する系外惑星としては、1995年に確認された51光年先のペガスス座51番星の周りを回る惑星が初。木星の半分の質量を持つこのガス惑星の公転周期は4日。発見された系外惑星で地球に最も近い位置にあるのは、2016年に発見された約4光年(40兆キロ以上)先のプロキシマbだ。

系外惑星の大量発見を成し遂げたケプラー宇宙望遠鏡=NASA提供//ハンギョレ新聞社

天の川銀河だけで数千億個と推定

 系外惑星の発見は、NASAが2009年にケプラー宇宙望遠鏡を打ち上げたことで加速した。ケプラーは9年間で2600あまりの系外惑星を発見し、2018年に引退。今は同年に打ち上げられたTESS(テス)宇宙望遠鏡が任務を受け継いでおり、新たな系外惑星を探している。

 NASAは「天の川銀河だけでも数千億個の惑星があるはず」と語る。クリスチャンセンさんは「5000個の系外惑星のうち4900個が地球から数千光年以内にある」とし「太陽系が天の川銀河の中心から3万光年離れているということを考えれば、天の川銀河にはまだ発見されていない惑星が1000億個から2000億個はあるだろう」と述べた。

 最初の系外惑星発見論文を国際学術誌「ネイチャー」に発表したアレクサンデル・ヴォルシュチャン(Alexander Wolszczan)さんは「中性子星の周囲で惑星を発見できるということは、惑星は基本的にどこにでもあるということ」とし「我々は単にリストに新たな惑星を加えるということ以上の、発見の時代を切り開きつつある」と述べた。NASAは2020年代中に数万個の系外惑星が発見できると期待している。

2027年に打ち上げられるNASAのナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡の想像図=NASA提供//ハンギョレ新聞社

系外惑星はどのように見つけるのか

 昨年末に打ち上げられたジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は史上最も高い性能を持ち、今後、数多くの系外惑星を捉えることができると予想される。また2027年にはNASAのナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡(Nancy Grace Roman Space Telescope)が、2029年には欧州宇宙機関のアリエル(ARIEL)宇宙望遠鏡が相次いで打ち上げられる予定だ。

 宇宙望遠鏡によって遠くにある系外惑星を直に観測するのは難しい。系外惑星の発見には、主にトランジット(transit、表面通過)法という間接的な手法が用いられる。ケプラー宇宙望遠鏡で初めて試みられたこの方法は、惑星が恒星の前を通り過ぎる時に、その影によって恒星の光が弱まる現象を利用して惑星を確認し、その大きさも推定する。2018年に打ち上げられたTESSは、この方法ですでに5400個以上の惑星候補を発見している。そのうちこれまでに惑星であることが確認されたのは203個だ。

クァク・ノピル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/science/science_general/1035735.html韓国語原文入力:2022-03-22 08:56
訳D.K

関連記事