「ひとつの星を歌おう たったひとつの星を/十二星座のあのおびただしい星の群れを どうして歌えようか」
詩人・李陸史(イ・ユクサ)の「ひとつの星を歌おう」の一部だ。40年の生で17回も投獄されながらも、死の前の瞬間まで独立運動を止めなかった彼の詩は、それそのものが抵抗だった。日帝強制占領期(植民地時代)の代表的な抵抗詩人に挙げられる6人の作品をハングルと日本語で紹介してまとめた本が、日本の読者にお目見えする。
名古屋の出版社「風媒社」は6日、『ひとつの星を歌おうー朝鮮詩人 独立と抵抗のうた』という題の本の刊行を発表した。この本には、尹東柱(ユン・ドンジュ)、李陸史(イ・ユクサ)、韓龍雲(ハン・ヨンウン)、沈熏(シム・フン)、李相和(イ・サンファ)、趙明煕(チョ・ミョンヒ)の詩がそれぞれ10編ずつ計60編、日本語とハングルの原文で載っている。出版社側は、沈薫、李相和、趙明煕の詩は日本で初めて紹介されたものだと説明した。同書には詩人たちの人生と活動内容も詳しく記されており、詩を書いた当時の時代的背景も窺い知ることができる。
本を編訳した全南科学大学の金正勲(キム・ジョンフン)教授(59)は、「この6人はみな日本に留学し、全国の韓国人に最も愛される抵抗詩人だ」とし「韓日文化交流の未来のためにこの本が広く読まれることを願う」と述べた。金教授は日本で文学を研究し、『韓国から見た戦争と文化』、『漱石と朝鮮』などの本を書いた。