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サムスンの故イ・ゴンヒ会長の美術品コレクション1000点、国立現代美術館に寄贈

登録:2021-04-21 11:19 修正:2021-04-21 13:55
李仲燮・朴寿根・ピカソ・モネ… 
時価評価額、1兆ウォン台と推算 
韓国で過去最大規模の寄贈
イ・ゴンヒ・コレクションの近代美術品を代表する名作である李仲燮の「黄色い牛」//ハンギョレ新聞社

 前サムスングループ会長の故イ・ゴンヒ氏(1942~2020)の相続財産処理手続きが来週初めに発表されるという予測が出ている中、イ・ゴンヒ美術コレクションの主軸をなす韓国近代期の名作美術品と19世紀末~20世紀初めの西洋美術品1千点余りが国立現代美術館に寄贈される。また、絵画、彫刻品、陶磁器など国宝と宝物の文化財数十点余り、古美術コレクション数百点余りも国立中央博物館の寄贈リストに上がっていることが確認された。韓国国内の美術館・博物館制度が導入されて以来、過去最大規模の寄贈事例となる。

朴寿根の「座っている女」//ハンギョレ新聞社

 本紙が文化体育観光部とサムスングループ内部の関係者を取材した結果、サムスングループ側は2月ごろから国立現代美術館と協議を行い、李仲燮(イ・ジュンソプ)、朴寿根(パク・スグン)、張旭鎭(チャン・ウクチン)、金煥基(キム・ファンギ)、モネ、ピカソなど国内外の巨匠の主な名作と、韓国と西洋の近代美術コレクション作品の相当数を寄贈・引渡しすることを約定したという。寄贈リストに挙げられた作品は、李仲燮の代表作「黄色い牛」連作の一部と子どもたちの群像画および銀紙画、金煥基の末年期の青い点描画の大作、「座っている女性」「木と二人の女性」をはじめとする朴寿根の田舎の人々の連作と「裸木」連作のほか、李仁星(イ・インソン)の花と風景絵、千鏡子(チョン・ギョンジャ)の静物絵、李応魯(イ・ウンノ)のコラージュ、劉永国(ユ・ヨングク)の山の絵などがある。さらに、印象派の画家モネ、立体派の巨匠ピカソなど近代西欧画家の巨匠らのA級作品がかなり数含まれていると、文体部とサムスン側の関係者たちは伝えた。

イ・ゴンヒ古美術コレクションの核となる謙斎 鄭ソンの傑作「仁王霽色図」。鑑定評価で400億~1000億ウォン台の高額が策定され、寄贈をめぐり関心が集まっている//ハンギョレ新聞社

 国立中央博物館も先月からセキュリティーを維持しつつサムスン側と古美術品および考古遺物の引継ぎ交渉を行い、朝鮮時代の巨匠たちの絵画や仏像、仏画、古代墓から出土した金製遺物など「特A」と呼ばれる一級所蔵品の多くを寄贈品リストに確保したと、文体部の関係者は伝えた。美術市場では寄贈対象作品の価値が概算で時価評価額だけでも1兆ウォンに迫るか超えるだろうという試算が出ている。

 文体部とサムスン側の説明を総合すると、近代美術史の専門家であるユン・ボムモ国立現代美術館長が内部の参謀の協力を得て、サムスン側の収蔵庫の作品リストを見て寄贈する作品を選んだという。これをもとに約2カ月に渡って作品の選定と記録、引渡し作業が行われた。しかし、これについてユン館長は「サムスン側が授与する寄贈対象リストを受け取って確認しただけで、私が直接作品を一つ一つ選んではいない」と明らかにした。サムスン側は、大邱(テグ)美術館、全羅南道立美術館など、一部の地方美術館にも李快大(イ・クェデ)、李仁星、金煥基、劉永国、千鏡子、徐鎭達(ソ・ジンダル)、徐東辰(ソ・ドンジン)など、地方出身の大家の作品を寄贈することにし、作品リストと引継ぎに対する詰めの協議作業を進めていることが確認された。文体部のある関係者は「今週木曜日か金曜日に1千点を超える寄贈作品の引継ぎ作業がいったん終わるものと予想される。その後、サムスン側が相続財産の処理について発表した後、国立中央博物館、国立現代美術館、地方美術館が細部の寄贈内容を後続ブリーフィングする形になるだろう」と伝えた。

イ・ゴンヒ・コレクションの一部である金煥基の青い点描画//ハンギョレ新聞社

 イ前会長が1980年代から古美術をはじめ東西洋・韓国の近現代美術を広く包括して収集してきた美術品コレクションは、昨年12月から進めてきた韓国画廊協会など3つの民間鑑定機関による時価評価作業を通じて、数量はおよそ1万3000点、時価総額は少なくとも2兆5千億ウォン以上であることが分かった。このうち書画、典籍類などの古美術品が1万点、韓国近現代美術品が2千点余り、西洋近現代美術品が900~1千点と推算される。今回1千点を超える作品が寄贈されるのは、韓国の近代美術品コレクションのほとんどが国立機関の公共遺産に転換されることを意味する。

 国立現代美術館の学芸員として働いた美術史研究者のCさんは「これまで国立現代美術館は近現代美術名品の所蔵量と質的な水準ではサムスン美術館リウムとは比較にならないほど劣勢にあった」とし「今回、韓国と西洋の近代美術名品を大量に寄贈されたことで、韓国近現代美術史における名実ともに最高のコレクションであり、世界屈指の美術館となった」と評価した。

 国立中央博物館は寄贈される遺物の細部については一切口を閉ざしている。ただ、鑑定価格400億~1千億ウォンに策定された謙斎 鄭ソン(キョムジェ・チョン・ソン)の「仁王霽色図」と「金剛全図」、高麗仏画の水月観音図など、国宝に指定された最上級の絵画名品が協議の中心の対象に挙げられ、寄贈するかどうかが焦眉の関心となっている。

ノ・ヒョンソク記者、写真:サムスン美術館リウム提供、ハンギョレ資料写真 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/991810.html韓国語原文入力:2021-04-21 02:40
訳C.M

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