本文に移動
全体  > 文化

『スペース・スウィーパーズ』、ネットフリックス映画ランキングで2日連続1位

登録:2021-02-09 06:01 修正:2021-02-09 07:26
チョ・ソンヒ監督「観客の熱い反応、不思議であると同時にありがたい」 
6~7日の2日間、ネットフリックスの人気映画ランキングで「世界1位」を獲得 
映画『スペース・スウィーパーズ』のスチールカット=ネットフリックス提供//ハンギョレ新聞社

 オンライン動画サービス(OTT)「ネットフリックス」で190カ国以上で公開された韓国初のSF映画『スペース・スウィーパーズ(原題:勝利号)』が世界的な人気を博している。8日、映像コンテンツのランキングを集計するフリックスパトロール(flixpatrol.com)によると、『スペース・スウィーパーズ』は6~7日の2日間、ネットフリックス人気映画ランキングで世界1位になった。

 映画を演出したチョ・ソンヒ監督は同日、オンラインインタビューで、「全く予想できなかった結果」だとし、「私の映画に対する外国観客たちの反応を感じるのが初めてで、不思議に思えると同時に、感謝の気持ちでいっぱいだ」と喜びを語った。

映画『スペース・スウィーパーズ』を演出したチョ・ソンヒ監督=ネットフリックス提供//ハンギョレ新聞社

 『スペース・スウィーパーズ』は2092年を背景に、宇宙ゴミ回収船「勝利号」の乗組員たちが、大量破壊兵器として知られる人間型ロボット「ドロシー」を発見した後、さらに危険な取引に飛び込むストーリーを描いた映画だ。チョ監督は約10年前、友人から宇宙ゴミの話を聞いて興味を持ち、映画を構想したという。彼は「宇宙ゴミ清掃業者(スペース・スウィーパーズ)の話なら、主人公が必ず素敵な服を着た英雄でなくてもいいと思った。危険な作業をする主人公を韓国人が演じても荒唐無稽に見えることはないだろうと思った」と当時を振り返った。

 チョ監督は、長編商業映画デビュー作『私のオオカミ少年』(2012)と2番目の長編映画『探偵ホン・ギルドン 消えた村』(2016)を撮りながらも、『スペース・スウィーパーズ』のシナリオ作業を続け、ついに3本目の長編映画として完成させ、世界公開までこぎつけた。彼は「『スペース・スウィーパーズ』は映画作りを生業にしようと決心してから、初めて書いた長編シナリオ。これを映画化して、観客に披露できたことが、まだ実感がわかない。すべての過程が夢のようであり、まだ何が何だか分からない状態だ」と感想を伝えた。

映画『スペース・スウィーパーズ』のスチールカット= ネットフリックス提供//ハンギョレ新聞社

 『スペース・スウィーパーズ』はハリウッドに劣らないコンピューターグラフィック(CG)で好評を得ている。これについて、チョ監督は「プリプロダクションの段階で、私たちにできることとできないことを区分し、作戦を効率的に立てた」と述べた。「まず、実際に俳優たちが撮影した場面と全体のCGがなじむようにすること、次に宇宙で物体に光が当たる感じを自然に表現すること、三つ目に、苦しい生活を送る労働者の宇宙船であるため、追撃戦も激しく迫力のあるようにスピード感を調節すること。この3つに重点を置いた」。

 試行錯誤と困難もあった。「爆発や小さな粒子が飛び回る場面など、特殊効果を作る時は苦労が多かった。特殊効果専門家ごとに頭の中で描く絵が違うため、互いに合意しながらも、あまりにもファンタジーに見えないように表現するのが難しかった」と打ち明けた。『スペース・スウィーパーズ』のCG作業にはデキスター・スタジオなど計10社が参加した。チョ監督は「ハリウッドのCG作業に比べれば、7分の1~10分の1程度の費用がかかったと思う」と伝えた。

映画『スペース・スウィーパーズ』のスチールカット=ネットフリックス提供//ハンギョレ新聞社

 好評一色の視覚効果とは違い、お涙頂戴の要素が入ったストーリーに対しては評価が分かれる。チョ監督は「家族の話に関心がある。本物の家族を失った人たちが集まって、もう一つの家族になる物語を作りたかった。お涙頂戴は避けたかったが、家族の話をしているうちに、やむを得ず要素が入った」と説明した。ほかのSF映画と類似したところが多いという指摘に対しては、「映画を初めて構想した後、似たような作品を見て『これができるのか』と勇気をもらった。差別化を図ろうとするよりは、出発点を確認したと思う」と語った。 それとともに「『スペース・スウィーパーズ』はもう一つの家族のあり方と和合を語る映画なので、これまでの映画とは違う道を歩む作品だと思う」と強調した。

 彼は宇宙船の名前であり映画のタイトル(原題)でもある「勝利号」の意味をこのように説明した。「最初は適当に幼稚で、可愛くて語感も良い名前だと思って付けたが、シナリオを書いているうちに、本当の意味を見出した。自分と考えや位置が違う人を取り除いて撲滅するよりは、どうすれば和合しながら生きていけるのかを映画に盛り込みたかった。逆説的に言えば、何が本当の勝利なのか、という悩みにつながるタイトルだと思う」

ソ・ジョンミン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/982349.html韓国語原文入力:2021-02-09 02:37
訳H.J

関連記事