本文に移動
全体  > 文化

[インタビュー]「侵略反省ない『日本の素顔』を知ってもらうため英語で書きました」

登録:2021-01-07 03:26 修正:2021-01-07 09:02
日本批判書を発行した歴史研究家パク・チョルスン所長 [インタビュー]「侵略反省ない『日本の素顔』を知ってもらうため英語で書きました」
日本批判書を発行した歴史研究家パク・チョルスン所長//ハンギョレ新聞社

 『不都合な歴史-アジアを覆う日本の暗い影(An Inconvenient History: Japan's Dark Shadow on Asia)』。韓国情報通信技術協会ソフトウェア試験認証研究所のパク・チョルスン所長(写真)が「チャールズ・パク」というペンネームで昨年8月に英語で出版した本だ。アマゾンのKindle(キンドル)には電子書籍と紙の本が両方とも出ている。「執筆に10年近くかかりました。アマゾンに紙の本の出版を申請したら、審査が行われた後、出そうと言われました」

 今月5日、京畿道城南市(ソンナムシ)のソヒョン駅近くの事務所で取材に応じたパクさんは、執筆の動機をこのように明かした。「日本の変化を引き出すには、国際社会が日本の本当の姿を正しく認識しなければならないという考えから、英語で書きました。エズラ・ヴォーゲル元ハーバード大学教授が書いた『ジャパン・アズ・ナンバーワン』のように、これまで外国で出た日本をテーマとする本を見ると、ほとんどが日本を美化しているんです」

 パクさんは行政国家公務員試験に合格し、1995年から21年にわたって情報通信政策を扱う公職者として働き、5年前に退職した。彼が率いる研究所は、ソフトウェア試験評価と認証を主に行っているが、最近は人工知能の評価も加わったそうだ。約230人の職員の70%が修士または博士号を持っている。

パク所長が昨年出版した日本批判書の表紙//ハンギョレ新聞社

 同書は、近代日本の侵略によってアジア諸国が受けた被害と、日本が領土拡張に乗り出した背景、そして戦後に日本の戦争責任をきちんと問えなかったことなどを指摘し、日本と国際社会が共存共栄するための代案も提示している。また、天皇制や侍文化など、日本と日本人を正しく理解する上で役立つ歴史的背景も扱っている。「アジア諸国が日帝の侵略によって受けた被害を総合的にまとめました。英語でこんな本は見た記憶がありません。日本人の文化と心理も文化人類学的方法で分析しました」

 パクさんは韓国語でも出すために翻訳しているが、韓国での出版は自らの意図とはあまり合致しないという。「外国でたくさん読まれるべきだからです。西洋などの外国人たちが本の内容に共感して、日本へ変化を迫る圧力として作用することが重要です。敗戦後のドイツの変化も、イスラエルや米国のユダヤ人社会やフランス、イギリスなどの周辺諸国の圧力が作用した結果です。しかし、日本は違いました。戦後、韓国やベトナムは分断状態にあり、中国は社会主義体制であるため、圧力をかけられませんでした。その間に日本は米国にくっついて自国の利益を得てきました」

 パクさんは、本のタイトルにある「不都合な」という表現について次のように述べた。「西洋の人々はこれまで、自分たちと同じ先進国だとして、日本を良いイメージで見てきました。しかし私の本を読めば日本が過去に残虐な行為をしたにもかかわらず反省していなかったり、アジア支配を栄光の歴史として歪曲したりしているのを見て、居心地の悪さを感じざるを得ないでしょう。日本人も表に出ていなかった自分たちの醜い歴史を見て、また韓国人は過去の傷を振り返らねばならないわけですから不都合でしょう」

 本の表紙には、1937年12月に日本軍が中国の南京城に進入する記念式の写真を使った。「日本軍は南京において6週間で30万人を殺しました。表紙の写真は私が6年前に南京大虐殺記念館で撮ったものです」

昨年8月、アマゾンKindleで紙版と電子版を同時発売
『不都合な歴史-日本の暗い影』
「日本人の心理も分析…10年かけて執筆」
東洋史専攻、20年あまり公職に
「強制徴用を経験した父親の世代を記憶するため」
「韓日対立緩和」に向け民間団体設立を推進

 パクさんは昨年から「韓日対立の緩和とアジアの平和」の実現を目指す民間団体の設立も進めている。2019年10月にはソウル大学のソン・ボンホ名誉教授らとともに設立準備の記者会見も行っている。「最高裁判決で徴用被害訴訟に勝ったイ・チュンシクさんが裁判後、日本が輸出規制を行ったことで苦しんでいるという話を聞き、団体の設立を決心しました。韓日両政府の譲歩は期待しにくい状況なので、一般人ではありますが強制動員被害者を助けようという考えでした。日本を含む東アジアの市民が連帯し、アジアの平和のための活動を行おうという意図もあったんです」。パクさんは、団体設立に120人あまりが参加する意思を表明し、設立基金は自らが出した1億ウォンを含め、1億2000万ウォン(約1130万円)が集まったと語った。

「アジア平和未来財団」設立に向けた一昨年の記者会見で、パク所長が団体設立の趣旨について説明している=パク・チョルスン所長提供//ハンギョレ新聞社

 パクさんが東アジアの歴史に関心を持つようになった背景には、父親の徴用体験がある。「父が太平洋戦争のただ中の1942年、南洋諸島に強制動員され、日本の敗戦後に帰国しました。24歳の時で、幼い息子が一人いるのに連れて行かれたんです。徴用の時は大変だったという話をよくしていました」。このような家族史は、パクさんが大学の専攻を決める際に、彼を史学科へと導いた。パクさんは1984年、ソウル大学東洋史学科に入り、卒業証書を受け取った後、再び母校の外交学科に学士編入した。「東アジアの国際関係史に興味があったんです。韓国が『4大国』の狭間で生き残ることが最も重要だと思ったんです。その時から統一にも大いに関心がありました。我々が分断されたのは、根本的には日本のせいじゃないですか。戦争を引き起こした日本ではなく、戦争被害国の我々がスケープゴートとなって分断されたんです。この分野でずっと学んでいたかったんですが、家計が苦しいためにあきらめて行政公務員試験を受けました。仕方なく公務員生活を送ったんですが、公職でも研究は続けていました」

 パクさんは官僚時代にも学習を続け、8つの学位(学士と修士がそれぞれ3つ、博士が2つ)を取った。行政学と技術経営(以上博士)、メディア映像、欧州連合の政策、国際関係、歴史学など、分野も様々だ。

 本が出版されて4カ月が過ぎた。反応は? 「アマゾンで数百冊売れました。昨年11月から宣伝を始め、米国、英国、オーストラリア、シンガポールの主要メディアに本を送ったんですが、まだ報道されていません。これからユーチューブで本格的に宣伝しようと思っています。来月までにユーチューブに本の紹介動画を5~6本アップする計画です」

 パクさんはインタビューの最後にこのようなことを言った。「歳を取るにつれて、父のことがよく思い出されます。父が経験した苦難のおかげで今の私がいるわけですから。父のような方々を記憶しておかねばならないという義務を感じます。生きているうちに意味のあることをしなければ」

文・写真/カン・ソンマン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/culture/book/977626.html韓国語原文入力:2021-01-06 19:39
訳D.K

関連記事