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[社説]市民連帯で守り抜いたベルリンの「平和の少女像」

登録:2020-12-03 08:44 修正:2020-12-03 14:16

 撤去される危機に瀕していたドイツ・ベルリンの「平和の少女像」が永遠にとどまることになるとみられる。少女像が設置されたベルリン市のミッテ区議会は1日(現地時間)、公聴会を開いた後、「平和の少女像存置案」を決定した。フランク・ベルターマン区議会議長(緑の党)は「多数決で性暴力犠牲者を追悼する平和の少女像を保存することにした」と明らかにした。緑の党と左翼党が共同提案した「少女像存置案」は、少女像がミッテ区に永久に置かれる方策を区議会が参加して樹立するよう求める内容を含んでいる。票決にはミッテ区議員29人が出席し、24人が賛成した。

 平和の少女像を守り抜いたのは韓国とドイツの市民社会の連帯の力だった。今年9月末に少女像が設置された後、日本政府は強く反発して執拗なロビー活動を行い、ミッテ区役所は今年10月に撤去命令を下した。ベルリンの市民社会がすぐに抗議に乗り出し、少女像の設置を主管した市民団体「コリア協議会」が裁判所に撤去命令効力停止の仮処分を申し立てると、ミッテ区役所が撤去命令を保留し、一歩後退した。その後も市民はドイツ社会になぜ少女像が建てられなければならないのかを伝える活動を続け、先月のミッテ区議会の撤去命令撤回決議に続き、今回「永久設置」の議決まで引き出した。

 ミッテ区議会の決定は、日本軍慰安婦問題が韓日間の対立ではなく、戦時性的暴力と女性の人権の普遍的問題として全世界がともに記憶しなければならないということを改めて確認させてくれたという点で意味が大きい。ドイツ市民たちは、紛争地域で女性の尊厳を踏みにじる性暴力が再び起きないようにするためには日本軍慰安婦被害問題を広く知ってもらい、少女像を守らなければならないということに共感した。今回の案件について説明したティロ・ウルヒス区議会議員も「平和の少女像は第2次世界大戦中の朝鮮女性に対する日本軍の性暴力という具体的かつ歴史的な事実を基にしている。戦争や軍事紛争における性暴力は一回性の問題ではなく、構造的な問題であり、根本的に阻止しなければならない」とし「平和の少女像はまさにその象徴だ」と強調した。

 日本政府は再び反発している。加藤勝信官房長官は「(今回の決定は)我が国の政府の立場、これまでの取り組みと相いれない。極めて残念」とし、撤去を要求し続けると述べた。厚顔の至りだ。日本政府は歴史的罪悪を謙虚に反省し、国際社会の女性の人権を守る声を尊重しなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/972527.html韓国語原文入力:2020-12-03 02:12
訳C.M

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