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映画『私を忘れないで』3月慰安婦素材映画2編封切り

登録:2017-02-19 23:45 修正:2017-02-20 07:13
キム・ヒャンギ、キム・セロン主演 
劇映画『雪道』三一節に封切り 
韓・中・フィリピンの被害者の6年を扱う 
ドキュメンタリー『The Apology』は 
3月16日封切り 
英国映画『アイヒマン・ショー』 
収益金は慰安婦被害者に寄付
『雪道』でキム・ヒャンギ(左)とキム・セロンが15歳の若さで慰安婦として連れて行かれる少女として出演=アットナインフィルム提供//ハンギョレ新聞社

 3月、日本軍慰安婦を素材として劇映画とドキュメンタリーが観客を迎える。劇映画『雪道』が3月1日、ドキュメンタリー映画『The Apology(謝罪)』が3月16日に封切られる。『雪道』と同じく三一節(1919年3月1日の三一独立運動を記念する日)に封切られる英国の劇映画『アイヒマン・ショー』は、収益金を慰安婦被害者に寄付する予定だ。

 『雪道』は少女の友情を女性の視線で追っていく。ある村に住むジョンブン(キム・ヒャンギ)とヨンヘ(キム・セロン)は、家庭環境も性格も違う同年齢の少女だ。貧しい家で育ったジョンブンはハングルも読めないが、ヨンエの兄のヨンジュがくれた本『小公女』を大事に持っている。ヨンエは独立軍の父を恨み“天皇陛下”に忠誠をつくす。母親が真鍮の器を売りに市場に行った間に、ジョンブンは日本軍に拉致され、ジョンブンが乗った列車に向かって「日本に行く」と大声を上げたヨンエも捕らえられて来る。日帝強制占領期間(日本の植民統治時期)の話と並行させて“ヨンエ”として生きているジョンブン(キム・ヨンオク)の現在の人生があらわれる。現在のジョンブンと同じ建物に住んでいる不良少女ウンス(チョ・スヒャン)は危機の瞬間にジョンブンに助けを求める。

 映画は過去と現在の“女性の連帯”に光を当て、彼女たちの人生を刺激的に照らすことはしない。イ・ナジョン監督は「おぞましい暴力の瞬間を“映画的スペクタクル”として利用しないように注意した」と13日の映画試写会後に開いた記者懇談会で明らかにした。最初に企画案を出した作家のリュ・ボラ氏は「その時代の少女の夢に集中しようとした」と話した。映画はイ・ヒョリの歌「私を忘れないで」で予告篇ミュージックビデオを製作した。2015年の三一節特集2部作で放映された韓国放送(KBS)のドラマを映画バージョンにアップグレードし、2015年全州(チョンジュ)映画祭と昨年のソウル国際女性映画祭にも出品された。イ・ナジョン監督はドラマ『優しい男』などを演出した。

『The Apology』で韓国のキル・ウォンオクさんが水曜集会に参加した場面=グラム提供//ハンギョレ新聞社

 『The Apology』は慰安婦被害者の国際的な連帯に集中する。中国系カナダ女性監督ティファニー・ション氏は、中国、フィリピン、韓国の被害者を6年間にわたりカメラに収めた。各国の状況はそれぞれ違う。韓国では積極的な活動家キル・ウォンオクさんと共に20年間続いている水曜集会が1千回をむかえる場面などを見せる。フィリピンでは2010年代にアデラさんなどが自身の被害を証言し始めた。中国のチャオさんはカメラの前で自身の記憶を蘇らせる場面だ。隠された秘密を打ち明けると娘は衝撃を受けて泣く。慰安婦被害者の問題を扱ってほしいという各国の請願が国連人権会議へ向かう場面で、連帯は絶頂に達する。

 『アイヒマン・ショー』(ポール・アンドリュー・ウィリアムズ監督)は、1961年4月11日ナチのユダヤ人虐殺の主犯アドルフ・アイヒマンがイスラエルの法廷に出頭する“世紀の裁判”を全世界に初めて生中継した製作スタッフの話を扱った英国映画だ。多国籍の製作スタッフは、生放送中継のためにエルサレムに到着し、イスラエル当局の厳しい要求に合わせるために奮闘する。映画は裁判の生中継画面を同時に配置した。「起訴手続き上、私は無罪です」と言うアイヒマンの厚かましい姿は最近の韓国の状況を想起させる。

映画『アイヒマン・ショー』の予告編より。1961年生中継された画面を同時に見せている=ディスティション提供//ハンギョレ新聞社

 『雪道』は最後の字幕で「2017年1月1日現在、慰安婦被害者として登録した239人のうち199人は亡くなり、40人だけが生存している」と話す。『The Apology』のアデラさんは撮影期間中に亡くなった。

ク・ドゥルレ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/culture/movie/783209.html 韓国語原文入力:2017-02-19 13:59
訳J.S(1936字)

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