昌徳宮(チャンドックン)正門の前を通る敦化門(トンファムン)道を挟む向かい側に、ソウル敦化門国楽堂ができた。ユネスコ世界文化遺産の故宮の美観を損なっていると指摘されてきたガソリンスタンドをなくし、ソウル市が代わりに作った施設だ。敦化門に向かって両腕を拡げたような開放的な構造、韓屋(韓国式家屋)の瓦屋根の重層美と高低により伝統韓屋の洗練された美を最大化した。故宮を散策し国楽を鑑賞するのに雰囲気も立地も好適だ。
韓屋様式をベースに現代様式を融合させた国楽堂は、地上1階、地下3階だ。地下2階と3階は140席規模の国楽専門公演会場、地下1階は公演者のための施設、地上1階は観光客のための便宜施設になっている。アコースティック(自然音響)に合わせて設計した公演会場は、通常の国楽公演会場の残響と言われる0.9秒台を維持している。残響は音が発せられた後に残って聞こえる音響で、数値が高ければ「風呂場の音響」に近く、低ければ乾いた音になる。
■新しい空間に新しい国楽の息遣い
ソウル敦化門国楽堂は9月1日の開館を前に、今月9日から7月23日まで開館前祝祭「Pre & Free」が行われる。国楽系の未来を担う実力ある演奏者と市民芸術家団体が参加し、豊かで多彩な公演を披露する。
9、10日の初舞台を飾るイ・スンヒは「林善文(イムソンムン)京畿舞楽竹風流」の音調を復元して奚琴(ヘグム)と演戯の掛け合いを披露し、11日には国立国楽院創作楽団のイ・ジヘ伽耶琴首席が自作曲だけで構成した公演で観客を迎える。15日にはクァク・ジェヒョクが笛(ピリ)正楽の真髄を披露し、16日はソウル市国楽管弦楽団のキム・ヒョンヒ副主席が「物語のある奚琴コンサート」を準備している。18、19日には演戯劇創作集団「極悪非道」の「モダンレクイエム-禊ぎ」、21・22日には韓国音楽アンサンブル「HONA」が「旅行者:The Nomadic Life」、24・25日には25弦伽耶琴奏者のソ・ジョンミンが「コスモス」を演奏する。
市民が参加する公演も準備されている。27日~7月3日を「市民週間」に指定して、アマチュア国楽同好会を対象に公募し、選ばれた市民芸術家団体の公演が予定されている。彼らを対象にソウル敦化門国楽堂のキム・ジョンスン芸術監督のマスタークラスが進行され、音楽的指導を通じて作品の完成度を高める疎通の場になることが期待される。
ソウル敦化門国楽堂を経験できる開館前祝祭は、すべての公演の観覧料が3千ウォン(280円)になっている。(02)3210-7001~2