本文に移動
全体  > 文化

[インタビュー]第二次世界大戦を知らない日本の若者たちに戦争の実状知らせたい

登録:2015-05-20 21:49 修正:2015-05-21 08:01
 ハン・ホング聖公会大学教授
 早稲田大学「集団的自衛権」シンポジウムで「韓国軍のベトナム戦虐殺謝罪運動」紹介
日韓法律家交流協会とNPJなどの市民団体が主催した「どう考える集団的自衛権」のシンポジウムにハン・ホング(右端から2人目)聖公会大学教授が参加している=日韓法律家交流協会提供 //ハンギョレ新聞社

 日本の安倍政権は15日、新たな安保保障関連11法案を国会に提出した。交戦中の他国の軍隊を後方支援するために、いつでも自衛隊を国外に派遣できる「恒久法」と、集団的自衛権の行使を可能にする「武力攻撃事態対処法」の改正案など、合わせて10本の改正案を一括して1本にまとめるのがその内容だ。日本政府と与党は、今月中に審議に入り今国会の会期中に法案を通過させる方針だ。ちょうどその日の夕方、東京の早稲田大学では集団的自衛権の問題をテーマにしたシンポジウムが開かれた。日韓法律家交流協会と代案メディア『NEWS FOR THE PEOPLE IN JAPAN』(NPJ)などの市民団体が主催した「どう考える集団的自衛権」のシンポジウムに韓国代表として参加したハン・ホング聖公会大学教授(写真の右端から2人目)にインタビューした。

 - 今回の討論会の副題は、「僕たちにしのび寄る戦場。20代の若者が見た戦争のリアル」であるだけに、大学生もイベントを一緒に準備した。日本で韓国軍のベトナム参戦の話をするのが、少し場違いな気がするかもしれないが、主催者側と日本の若者に伝えたい戦争のリアリティは何だったのか?

 「第二次世界大戦は日本の若い世代にはあまりにも遠い昔の話になったようだ。だから、主催側はアジアで経験した、少し新しい戦争、特に今問題となる国外派兵による戦争の実状を取り上げてほしいと思っていた。一般の人々には軍隊、特に国外で軍隊が経験する戦争の実状があまり知られていない。1940年代、日本が外国で何をしたのかについてよく知らないのだ。もちろん、米国市民も同じだ。日本の若者たちに、国に言われるがままベトナム戦線に投入された韓国の若者たちが、実際にベトナムのジャングルで何を経験し、その短くも強烈な戦争体験が自分たちの生活にどのような影響を及ぼしたのかを、紹介してほしいと主催側に言われた」

 - この日参加した聴衆250人の感想文を読んだが、韓国のベトナム民間人虐殺の真相究明要求と謝罪運動に対する関心が大きかった。

 「1999年の『ハンギョレ21』の報道後、韓国の市民団体は、ベトナム民間人虐殺の真相究明を要求し、ベトナム民衆に対して韓国政府と韓国国民の謝罪を求める『ごめんなさいベトナム』キャンペーンを行った。また、日本軍慰安婦被害者のお婆さん、ムン・ミョングムさんやキム・オクジュさんがベトナム戦争の犠牲者のために全財産を寄託し、ベトナム戦真実委員会は、このお金をもとに平和博物館の建設を進めている。ちょうど先月、平和博物館で、ベトナム戦当時、韓国軍による民間人虐殺の生存者を韓国に招待し歓迎行事をした際、一部の参戦軍人団体が集まって騒ぎを起こしたことを紹介した。その前の2000年にも枯れ葉剤戦友会など参戦軍人がハンギョレ新聞社を襲撃した話もした。 50年前、たった1年間ベトナムに行ってきた経験が、数多くの参戦軍人たちの人生をそのように目茶苦茶にしてしまったのだ」

 - 日本軍慰安婦被害者のお婆さんたちが寄付したお金で、ベトナム民間人虐殺被害者と手を繋ぐという平和博物館運動が、最近、日本社会が「慰安婦」問題について見せている偏狭な姿勢に対する問題提起になったと思う。だから会場でも拍手が沸き起こったようだ。

 「講演者の一人が、日本の代表的な知識人であるが、良い話もたくさんして下さったが、最後にはあまりにも『慰安婦』の話がたくさん出て失望したという風に述べた。その瞬間、慰安婦問題を日韓だけの問題に縮小して見ているという気がして、自分の考えを多少言わせてもらった。実際、韓国でベトナム民間人虐殺の真相究明と謝罪運動に長く関わってきたが、日本の市民社会では、はるかに多くの良心的な知識人たちが日本の戦争犯罪について謝罪する運動を行っている。日本の右翼は韓国もベトナムで虐殺をしたから、日本の戦争犯罪を問題にする資格がないと主張している。残念ながら、その韓国軍の指揮官は、日本帝国主義から虐殺を学んだ。虐殺の責任に民族や国籍を介入させてはならない。日本軍慰安婦の問題も同じだ。日本が犯したとしても、韓国が犯したとしても、米国が犯したとしても、虐殺と従軍慰安婦問題は、大きな過ちであることに変わりはない」

イ・リョンギョン立教大学兼任教授(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-05-20 18:52

https://www.hani.co.kr/arti/culture/religion/692092.html  訳H.J

関連記事