大人3人が座ればいっぱいになる4.9平米の小屋を使った小さな靴修理店。ソウル・冠岳(クァナク)区 奉天(ポンチョン)洞の冠岳区庁前三叉路で靴修理の仕事を始めて25年になるカン・キュホンさん(61)とキム・ソンジャさん(51)夫婦は、ただガラスのドアを通りすがる人の靴ばかり見つめているわけではない。
「一日じゅうここに閉じ込められていますから…、経験できないことを代理満足するためとでも言いましょうか」。朝9時から夕方8時まで立法形のボックス小屋の中で仕事をする妻のキムさんの手には、常に本がある。
読書が好きなキムさんは、靴修理店から道路を挟んで向かいにある「龍の夢を見る小さな図書館」を頻繁に訪れる。1週間に3~4冊ずつ借りて読んだ本はすでに400冊を超えた。図書館は2年4カ月前に開館したので、一カ月に14冊くらい読んできたことになる。妻に習って1年に7~8冊くらいは読むという夫のカンさんは「龍の夢の図書館が私たちの家の書斎」と言って笑った。
11日に靴修理店で会ったキムさんは、本二冊を修理台の片隅に置き時々読み進めていた。ハン・ビヤ、イ・オリョン、コ・ウン、ハ・ジョンガンなど賢者17人が自らの人生の原則を語る『人生で最も大切なもの』が重い内容なら、地下鉄で行ける気軽な旅行地を紹介した『地下鉄で行くソウル&近郊旅行』は軽い実用書だ。普段は教養や心理書、エッセイを主に読むが、『食客』のようなマンガも好んで読む。近頃は「天気が良ければ夫と外に行こうと思って旅行書をたくさん読む」と話す。
キムさんは「お客さんを相手にしていると気に障ることもあるけど、心理本のようなものを読むと心をどう落ち着けるか教えてもらえる」と言う。『カン・ハクチュン博士の家族授業』は夫が外に出歩いていた時期にキムさんに励みになったという。
「冠岳区の靴美化員の集まりの会長でもある夫が隣近所の助け合いの仕事をするといって靴屋を時々空け、店を一人で守る日が多かったことがあります。すると本に『夫を変えるよりありのままの姿を見て理解しなさい』と書いてあったのです」。最近は脊椎障害がある身長134センチの小さな女性が国際社会の福祉事業で世界を見て回った話を書いた『青春よ、胸躍ることを探せ』を印象的に読んだと話す。「私も何かしなければならない、そんな刺激を与えてくれました」
キムさんは本を思う存分読めるようにしてくれた小さな図書館が「本当にありがたい」と語る。「町の書店はほとんどなくなってしまったじゃないですか。都心の大型書店は休みの日にでも行き、近所の中古書店に通うようになりました。龍の夢図書館ができて本当に楽になりました」
「小さな図書館」は33平米の広さに閲覧席6席以上、1000冊以上の蔵書がある図書館を指す。冠岳区には現在33の小さな図書館がある。キム氏は小さな図書館で本を借りて読むようになり、購入して自宅に持ち帰った本は身近な人にプレゼントすると話す。「それでも家に本が150冊も残っている」と笑った。
韓国語原文入力:2015.03.13 22:14