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[社説]統合進歩党の両国会議員の除名は軽率だ

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/535720.html原文入力:2012/06/01 22:01(1403字)
 統合進歩党の比例代表選挙戦の不正事件で辞退圧力を受けているイ・ソクキ、キム・ジェヨン議員に対する国会での除名の動きが具体化している。イ・ハンク・セヌリ党院内代表は、このほど "両議員が国会開会後にも辞職しなければ、資格審査請求案を提出して処理するだろう"と話し、朴槿恵議員も乗り出してきた。しかし両議員が問題があるとしても国会議員に対する除名を世論の人気取りのためにこともなげに実行しようとするのは、超法規的な発想だ。  両議員が選挙戦の不正に対する政治的責任を負って辞職すべきということには異論の余地がない。両議員は一日も早く去就を決めることによって、地に落ちた進歩(先進)政党の名誉回復につくさなければならないだろう。
 両議員の去就は政治的な責任問題であって、司法が関与すべき範疇ではない。国会法は議員30人以上で議長に議員資格審査を請求でき、倫理委調査および審査を経て在籍議員3分の2以上の同意で除名することができるようになっている。倫理委の調査は両議員が選挙戦の不正であれ、北朝鮮シンパであれ、明白な法的責任があるかを糾明しなければならない。選挙戦の不正に対する検察の調査が行われている最中に国会がなぜ新たに調査して両議員を除名するというのか理解に苦しむ。ややもするとやみくもに世論に便乗した‘立法殺人’になる可能性が大きい。
 両議員を北朝鮮シンパとして除名しようということはなおさら理屈に合わない話だ。イ・ハンク院内代表は "両議員に対する資格審査を比例代表選の手続き上の問題で行なうのか、北朝鮮シンパの問題として行なうのかまだ未定" と話した。過去の国家保安法の違反事例だけによって国会議員を北朝鮮シンパとして責め立てて資格を剥奪すれば全世界の笑い話になる。ハ・テギョン・セヌリ党議員が"北朝鮮シンパ的な傾向や思想を持って除名を論じるのは、魔女狩りにあたる" と言ったのは当を得た指摘だ。
 パク・チウォン民主党院内代表が、"両議員は議員職を剥奪しうる資格審査対象"として、除名に同調するような雰囲気を見せたのも問題だ。パク院内代表は昨日は"除名に協力すると話したことはない" と後退した態度になった。辞職を誘導しようとする圧力と解釈されるが、結果的にセヌリ党の超法規的除名の動きを助けているわけだ。
 統合進歩党は現在、両議員を含んだ選挙戦比例候補4人に対する懲戒手続きを進めている。新しく作る特別委員会を通じて身を削る思いの刷新の意思を申し合わせている。検察捜査も進行中だ。 セヌリ党と民主党は、現実的でない除名をとりざたするのではなく統合進歩党の刷新の動きを当分物静かに見守ることを望む。
原文: 訳T.W