尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は26日、「国軍の日」75周年記念式典で、「北朝鮮が核を使用した場合、韓米同盟の圧倒的な対応で北朝鮮政権を終息させる」と述べた。韓国政府は2013年以来10年ぶりに軍将兵が参加したパレードなどを含む大規模な国軍の日行事を開催した。
尹大統領は同日午前、城南(ソンナム)ソウル空港で開かれた記念式典で、「北朝鮮政権は核兵器が自分の安全を守ってくれないという事実を明確に認識しなければならない」とし、このように述べた。これは、1年前の国軍の日の記念式典で北朝鮮に対し「核兵器の使用を企てるなら、韓米同盟と韓国軍の決然として圧倒的な対応に直面することになるだろう」と述べたよりも、はるかに強硬になったもの。尹大統領は17日に公開されたAP通信とのインタビューでも、「韓米両国は、北朝鮮のいかなる核攻撃も即時で圧倒的かつ決定的な対応に直面し北朝鮮政権の終末に帰結することを再確認した」と述べた。
尹大統領は今回の記念式典で、「北朝鮮は国際社会の度重なる警告にもかかわらず、核とミサイル能力を高度化しており、ひいては露骨に核使用の脅しをかけている」とし、「これは大韓民国国民に対する実存的脅威であり、世界平和に対する重大な挑戦だ。韓国軍は北朝鮮が挑発してきた場合、直ちに報復する」と述べた。また「戦略資産を統合指揮する作戦司令部を創設する」とし、「軍統帥権者として敵には恐怖を、国民には信頼を与える強い軍隊を作るため尽力する」と語った。さらに「韓国国民は北朝鮮の共産勢力、その追従勢力に決して惑わされることはないだろう」と批判勢力を念頭に置いた発言もした。
ソウル空港で開かれた記念行事には6700人余りの兵力と戦車など200台余りの装備が配置された。韓国型3軸システム(キルチェーン、韓国型ミサイル防衛、大量反撃報復)の核心戦力である高威力地対地ミサイルと長距離地対空誘導兵器(L-SAM)などが初めて一般公開された。高威力地対地ミサイル「玄武5」の場合、弾頭の重量だけで8~9トン、総重量は36トンに達する「怪物ミサイル」と呼ばれる。有事の際、大量反撃報復の中心となるこのミサイルは、地下にある北朝鮮首脳部のバンカーと軍指揮施設などを破壊する。当初計画していた陸軍攻撃ヘリコプター「アパッチ」の飛行と空軍特殊飛行チーム「ブラックイーグルス」の祝賀飛行は、雨のためキャンセルされた。
同日午後にはソウル崇礼門(スンレムン)と光化門(クァンファムン)一帯の都心で4千人余りの兵力と韓国型3軸体系の主要装備を含む装備部隊が参加した軍事パレードが行われた。国軍の日の軍事パレードは2013年以来10年ぶり。尹大統領は一部区間を軍指揮官らとともに行進した。