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韓米関係は戦略同盟、南北関係は相互主義

登録:2022-05-04 07:12 修正:2022-05-04 08:36
尹錫悦政権の国家安全保障室第1次長に内定した成均館大学のキム・テヒョ教授が3日、ソウル鍾路区の政権引き継ぎ委員会で行われた尹錫悦政権の110大国政課題の発表会見で、北朝鮮核問題に関する質問に答えている/聯合ニュース

 政権引き継ぎ委員会は3日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の外交安全保障分野の目標として「自由、平和、繁栄に貢献するグローバル中枢国家」を打ち出した。引き継ぎ委は、韓米同盟をよりいっそう強調し、北朝鮮については相互主義を掲げた。議論になったTHAAD(高高度ミサイル防御)の追加配備はひとまず除かれた。

 引き継ぎ委は、北朝鮮に対する政策については「北朝鮮の完全かつ検証可能な非核化を通じて、朝鮮半島に持続可能な平和を実現する」としたうえで、「原則と一貫性に基づく非核化と平和体制の構築を推進する」と述べた。さらに、「韓米間の緊密な調整のもとで予測可能な非核化ロードマップを提示し、相互主義の原則による北朝鮮に対する非核化交渉を推進する」と付け加えた。引き継ぎ委員のキム・テヒョ氏は、「CVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)という典型的な言葉を繰り返さなくても、その言葉は今もなお有効だ」と述べた。

 引き継ぎ委は、北朝鮮に対する経済・開発協力構想を推進する時期は「北朝鮮の非核化が進展した時」だと明示した。南北経済協力によって北朝鮮非核化を牽引するという構想だが、成果がなかった李明博(イ・ミョンバク)政権の北朝鮮に対する政策「非核開放3000」に似た内容だ。同時に、尹錫悦政権は「南北関係の正常化」を国政課題として明示し、現在の南北関係に対する強い問題意識を示した。

 THAAD追加配備については、慎重な態度をみせた。キム・テヒョ委員は、この日の国政課題の発表会見で、THAADの追加配備が国政課題から抜けたことについての質問を受け、「慎重という基本方針をそのまま続けていくもの」としたうえで、「今後の安全保障の状況をみながら検討する」と明らかにした。

 引き継ぎ委は国防分野において、連隊級以上の実働演習を再開し、第2の創軍の水準となる「国防革新4.0」を推進し、人工知能(AI)テクノロジーに強い軍を育成するという国政課題も明らかにした。北朝鮮の核とミサイルの脅威への対応として、李明博・朴槿恵(パク・クネ)政権時代に登場し、文在寅(ムン・ジェイン)政権で消えた3軸体系の概念も復活させた。「北朝鮮政権と北朝鮮軍は韓国の敵」であることを明確に認識できるよう『国防白書』に明記する案も検討するとした。

 引き継ぎ委は、韓米関係を包括的な戦略同盟に拡大し、日本とはシャトル外交の復活を通じた信頼回復をもとに、共同の利益と価値に合う未来の協力関係を構築するという方針も明らかにした。しかし、強制徴用、輸出規制、「慰安婦」問題など韓日関係の懸案についての具体的な解決策は示さなかった。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/1041483.html韓国語原文入力:2022-05-04 02:44
訳M.S

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