外交部長官候補のパク・チン氏が、2日に開かれた国会外交統一委員会の人事聴聞会で、THAAD(高高度防衛ミサイル)の追加配備に慎重な態度を示した。
この日の聴聞会でパク候補は、1月末に当時大統領候補だった尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領が、SNSに「THAAD追加配備」というメッセージを掲載したことについて、「北朝鮮の様々なミサイルの脅威に対抗する首都圏の防空網の補強の次元から出た話」だと述べた。また、追加配備の賛否を問う質問には、「注意深く検討し、どのような結論を出すか論議する」と答え、明言を避けた。
パク氏は、THAADをめぐる文在寅(ムン・ジェイン)政権の「3不」(THAAD追加配備、米国のミサイル防御システムへの編入、韓米日軍事協力の3つの禁止)の立場についても、「韓国の立場であるだけに、撤回することはない」と述べた。次期与党「国民の力」側は、これまで「3不」について「中国に対する屈従外交」だと非難してきた。
パク氏は、「尹錫悦政権の外交政策のビジョンが見えない」という次期与党「国民の党」のイ・テギュ議員の指摘には、「新政権の外交政策の基本方針は、自由・平和・繁栄に貢献するグローバル中枢国家の実現」だとしたうえで、「堅固な韓米同盟を構築し、韓国外交の中心軸をしっかりとさせる」と述べた。
パク氏は、次期野党「共に民主党」のキム・ヨンジュ議員が「尹氏とパク氏はともに韓米同盟を『再建』すると言っているが、文在寅政権で韓米同盟が壊れたという話なのか」と問うと、「韓米同盟の強化の必要性を強調したものだ。韓米同盟の『強化』と表現する」と一歩後退した。また、20日に予定されている米国のジョー・バイデン大統領の訪韓については、「(北朝鮮核問題などとともに)インド太平洋地域の秩序の新たな変化やサプライチェーンの強化案について、集中的に議論するだろう」と述べた。
パク氏は、中国牽制のための米国・日本・オーストラリア・インドなど4カ国の協議体であるクアッド(Quad)については、「(米国などからは)まだ加盟の勧誘はない」としたうえで、「(韓国の)役割と貢献を拡大・強化し、協力していくことは可能だろう」と述べた。彼は、国民の力の一部で主張されている戦術核配備については、「(米国と)論議していない」と述べ、一線を画した。
カナダ所在の企業のNSUSグループに今年4月まで3年ほど勤務していたパク氏の長男に関する疑惑も集中議論された。共に民主党は、この企業が韓国内で違法なオンライン賭博サイトを運営していたと攻撃した。パク氏は「事実関係の有無は別にして、家族に関する内容が提起され議論されたことは、私の不徳の致すところ」だと述べ、低姿勢をとった。
一方、外交統一委員会は、統一部長官候補のクォン・ヨンセ氏の人事聴聞会を新政権発足2日後の12日に行うことにした。