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[社説]「コロナによる二極化」対策、代案なく反対ばかりの保守メディア

登録:2021-01-14 03:08 修正:2021-01-14 08:51
「コロナ利益共有制」を提案した共に民主党のイ・ナギョン代表が、12日に国会で開かれた小商工人連合会との懇談会で挨拶している=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 統計庁が13日に発表した「2020年の雇用動向」によると、昨年の韓国の就業者数は22万人減少した。金融危機直後の2009年以降、11年ぶりの最大の減少幅だ。雇用の減少は臨時・日雇いと自営業で最も大きかった。特にコロナ第3波が始まった12月の雇用減少は実に62万人にのぼる。時差を考慮すれば、本格的な雇用ショックは今年2、3月となる見通しだ。雇用のみならず、所得格差も広がっている。昨年第1四半期には所得下位10%の勤労所得が真っ先に急減し、第2四半期には下位20~30%が、第4四半期には中位層も減少した。コロナの長期化による景気低迷の影響がますます広がっているということだ。

 「コロナ二極化」は憂慮ではなく現実だ。時間が経てば経つほど所得と資産の格差はいっそう広がり、国民生活の困難もそれだけ大きくなるだろう。何よりも、二極化の緩和に向けた財源の確保が最大の課題となる。利益共有制、特別災害連帯税、社会連帯基金などの様々な対策をめぐる政界での論議を急がねばならない。

 にもかかわらず、保守メディアは二極化緩和のための様々な提案をすべて「反市場・反憲法的政策」と規定し、「分断」「企業の首を絞める」「選挙用」などというレッテルを貼っている。朝鮮日報は13日の社説で「コロナで稼いだのだから吐き出せと要求したからといって実現する問題なのか」と述べた。中央日報も社説で「二分法的思考、危険な発想」であるとし「差し迫った選挙日程を考慮した政略」と主張した。野党「国民の力」は、保守メディアのこのような主張をそのままオウムのように繰り返している。

 いわゆる「コロナ勝ち組」たちに痛みの分担を要求することに反対するなら、実効性のある代案を提示すべきだ。しかし、これらのメディアは、政府がさらに借金をしたり増税をしたりして財政支援を増やすことについては、さらに強く反対している。表向きは二極化解消が切実だと言いながら、最も肝心な財源確保策ついては、すべて反対しているのだ。言っていることが滅茶苦茶な偽善的行為と言わざるを得ない。

 コロナ勝ち組の方が社会的な責任や痛みの分担により積極的になっているのは世界的な流れだ。国際通貨基金(IMF)、経済協力開発機構(OECD)などは高所得者・大企業に対する累進課税の強化を一様に勧告している。コロナ危機克服のための財政支出と不平等の緩和には欠かせないというのだ。「なぜ分け前を奪うのか」などという低レベルな主張はもうやめるべきだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/978657.html韓国語原文入力:2021-01-13 18:44
訳D.K

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