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秘密漏洩・職務遺棄での告発、パク市長の「わいせつ行為疑惑」究明につながるか

登録:2020-07-15 06:26 修正:2020-07-15 09:05
故パク・ウォンスン・ソウル市長を強制わいせつ行為の疑いで告訴した被害女性を代理するキム・ジェリョン弁護士が13日午後、ソウル恩平区の韓国女性の電話事務所で開いた「ソウル市長の威力による強制わいせつ行為事件記者会見」で記者団の質問に答えている=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 故パク・ウォンスン・ソウル市長の強制わいせつ行為の疑惑に対する真相究明の要求が高まっている中、セクハラを告訴した事実が外部に流出した疑惑を明らかにしてほしいという告訴状が提出され、真実が究明されるかどうかに関心が集まっている。パク市長の死亡で被害者が告訴した事件は「公訴権なし」の処分で終結するが、流出疑惑に対する捜査には、わいせつ行為疑惑に関する事実関係の確認が不可欠だからだ。

 活貧団などの市民団体は14日、警察と大統領府関係者を公務上の秘密漏洩の疑いで、ソウル市関係者を職務遺棄の疑いで最高検察庁にそれぞれ告発した。公務上の秘密漏洩容疑は、機密が維持されるべき強制わいせつ行為に関する告訴が被疑者のパク市長に直ちに伝わった可能性があることから浮上した。被害者は今月8日、ソウル地方警察庁に告訴状を提出し、告訴事実は当日、ソウル地方警察庁→警察庁生活安全局→大統領府国政状況室に報告された。告訴人調査は当日行われ、翌日の未明まで続いた。パク市長は告訴人調査が終わった9日の午前10時44分ごろ公館を出て、午前0時過ぎに遺体で発見された。強制わいせつ行為疑惑の告訴の件を知った“誰か”が、これをパク市長に知らせた可能性がある。大統領府と警察は「パク市長に告訴事実を伝えた事実は全くない」と疑惑を否定している。ソウル市内外では、ソウル市のイム・スニョン・ジェンダー特別補佐官が告訴事実を知ってパク市長に伝えた疑惑も持ち上がっている。

 公務上の秘密漏洩は、公務員や公務員だった人が法令による職務上の秘密を漏らした時に適用される容疑だ。これを確認するには、公務上の秘密の内容が特定されなければならないため、パク市長の強制わいせつ行為疑惑の実態を調査せざるを得ない。パク市長の死亡により、加害者とされたパク市長の立場を聞くことはできないが、被害者の告訴内容と警察での供述、2人の携帯電話に保存されたメッセンジャーの対話内容などは捜査過程で確認できる。

 性犯罪被害者の告訴が萎縮する恐れがあるという点で、告訴事実の流出疑惑を厳重に捜査すべきという声もあがっている。前日、被害者代理人のキム・ジェリョン弁護士は「(パク市長が)メッセージを送った携帯電話を速やかに押収することが絶対的に必要だったため、担当捜査チームにも絶対的に機密を維持するよう要請した。こうした理由で告訴状を提出し、情報が洩れないようにその日から調査を始めた」と述べた。告訴事実の流出は、加害者の証拠隠滅を可能にするなど、事実上捜査妨害にもつながりかねない。被害者が訴状を提出した8日からパク市長の携帯電話の通話内容などを調べれば、誰が告訴事実を知らせたのか候補が絞られる可能性が高い。

 被害者が被害事実を知らせ、助けを求めたというソウル市関係者たちの職務遺棄の疑いの捜査でも、わいせつ行為疑惑の実体に近づくことができる。公務員が正当な理由なしに職務遂行を拒否したり、仕事をきちんとしなかった時に成立するのが職務遺棄罪だ。ソウル市関係者らが被害者の被害主張を黙殺したかどうかを捜査する過程で、該当する公務員の職務を把握するためには、パク市長のわいせつ行為疑惑の内容も共に確認せざるを得ない。

 国を相手取った被害者側の損害賠償訴訟も、事実関係の確認方法として考えられている。ソウル市長在職中に発生した事件であるため、国の使用者責任が発生し、民事訴訟が可能である。国の責任の有無を見極めるためには、パク市長のわいせつ行為疑惑が事実かどうかの調査が不可欠だ。ただし、損害賠償事件は訴訟期間が長く、近いうちにわいせつ行為疑惑を確認するのは難しいものと見られる。

キム・ジョンピル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/953683.html韓国語原文入力:2020-07-14 22:15
訳H.J

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