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[社説]防衛費交渉、「韓国人労働者人件費」から解決せよ

登録:2020-03-21 05:41 修正:2020-03-21 07:28
チョン・ウンボ防衛費分担交渉大使(左側)とジェームズ・ディハート米国務省防衛費分担交渉代表が17日、米国ロサンゼルスで第7回防衛費分担金特別協定交渉を開始する前に写真を撮っている=外交部提供//ハンギョレ新聞社

 韓米「防衛費分担金交渉」が難航を続けている。韓米は17日から3日間米国で第11次防衛費分担特別協定(SMA)締結のための第7回会議を開いたが、双方の隔たりだけを確認したまま何の結論も出すことはできなかった。状況がこのようになったのは、韓国に一方的な譲歩を強要する米国の強圧的な交渉態度によるものが大きいと言わざるを得ない。

 まず、米国が要求する分担金の金額が途方もなく高い。米国が既存の50億ドル(約5600億円)から後退して40億ドル(約4500億円)を要求していると言うが、相変わらず韓国の分担金増額案とはかけ離れている。韓国は去年の分担金(1兆389億ウォン、約920億円)から10%ほどを引き上げた金額を提示したことが分かった。10%だけでも物価上昇率などを考えると決して少なくない金額だ。米国が分担金の金額を常識に反しないよう下げない限り、妥結は難しくならざるを得ない。

 このような事情のために韓国は今回の第7回会議で在韓米軍の韓国人労働者の人件費を先に妥結しようと提案した。去年妥結した分担金内でひとまず韓国人労働者の人件費を先に支援し、それ以後に交渉が最終妥結すれば新しい内容を反映しようという提案だ。しかし、米国は「包括的な分担金協定を結ぶのに障害となる」との理由で韓国の提案を拒否し、4月1日から韓国人労働者の無給休職を強行するという圧迫を止めないでいる。交渉で有利な立場を得るために韓国人労働者を人質にするという意味だとしか言いようがない。在韓米軍韓国人労働組合は20日、米国の無給休職措置は「韓米同盟の精神を毀損する歴史の汚点になるだろう」と批判して撤回を要求した。無給休職を強行すれば出勤闘争で対抗するとの確約もした。米国が韓米同盟の価値を真に大切に考えているのであれば、韓国人労働者の声を無視してはならない。

 分担金交渉がこのように長引き無給休職まで目前に迫ることになったのは、米国の一方的で不合理な要求のためであることは明らかだ。にもかかわらず米国は、韓国が柔軟性を発揮できず交渉が困難に陥ったとして韓国に責任を転嫁した。このような責任の押し付けは交渉の正しい姿勢ではない。米国は分担金協定が直ちには難しいのであれば、「労働者人件費優先妥結」だけでも誠意を示さなければならない。政府は米国が合理的な姿勢で交渉に出てくるよう、「国益最優先」の原則の上で交渉の技術を発揮してほしい。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/933516.html韓国語原文入力:2020-03-21 02:33
訳M.S

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