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[社説]韓日は「入国規制」ではなく「防疫協力」で感染病対応を

登録:2020-03-09 06:38 修正:2020-03-09 08:43
日本からの入国者に対する2週間の隔離措置が施行される一日前の8日午前、金浦空港国際線庁舎に日本に行く乗客が押し寄せ、搭乗手続きを行なっている/聯合ニュース

 韓国と日本が9日0時より互いに相手国の国民の入国規制を強化する措置を取った。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡散遮断が名分でも、事実上の外交的な相応の措置という性格が濃い。感染病との戦いが韓日2カ国間の戦いに飛び火するのは決して望ましくない。今からでも両国は効果が不明な外交的相互措置をやめ、実質的な防疫協力のための議論に焦点を合わせてほしい。特に韓国国民に対する入国規制を先に始めた日本政府に解決の糸口を見出す責任がある。

 9日0時より韓国から日本を訪問する人々は14日間隔離対象となり、発行済みの日本入国ビザの効力が止められた。韓国人に適用される90日以内のビザなし入国も一時的に中断され、新規ビザ発給も難しくなった。韓国政府も相応の措置として日本国民に発行された韓国入国ビザの効力を止め、新規ビザ発給手続きを強化した。また、日本から入国する乗客は特別な入国手続きを経なければならない。

 この不便さはそっくりそのまま両国国民に戻って来る。4月の新学期に合わせて日本に入国しなければならない韓国人留学生は、日本のビザ効力停止措置により、場合によっては学校に戻ることができない状況に追い込まれることもあり得る。ビジネスのために日本を頻繁に訪れる企業家も同じだ。日本側の被害も小さくない。日本のメディアは「政治的判断を優先した政策のため、経済などに大きな混乱が生じる恐れがある」と指摘した。

 たとえ経済的余波が大きいとしても、入国規制と遮断がCOVID-19の拡散を防ぐのに必須であれば、そうすることはありうる。 しかし、安倍政権の主張を見れば、科学的な根拠に即して入国規制措置を出したというより、強まる政権批判に対応するための措置として強硬な対応をしているように見える。COVID-19感染者数は韓国が日本より多いが、検査件数は日本が韓国に比べて極めて少ないのが一例だ。これまでの日本の検査件数は合計で1万2千件余りで、韓国の1日の検査件数にも及ばない。チョン・セギュン首相が「日本が果たして我々ほど(COVID-19対応で)透明で積極的なのか疑わしい」と言ったのはそのような点で一理がある。

 韓国と日本はこれ以上、感染病問題を外交的対立事案に推し進めてはならない。両国の先進的防疫システムを活用して「防疫協力」を強化する方式で対応するのが正しい方向だ。それが韓日関係だけではなく感染病退治にも効率的だろう。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/931632.html韓国語原文入力:2020-03-09 02:38
訳M.S

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