2017年下半期から公共機関に義務化された「ブラインド採用」(出身地、学歴、性別などの項目を要求せず職務能力で評価して採用する方式)が、特権や不公正な要素を減らすだけでなく、組織内の多様性や組織適応度など、効率性も改善していることが分かった。まだ施行2年目なので「バラ色の未来」を断言するのは早い。しかし、人生街道のそこここに染み込んでいる「不平等」の要素をなくせという市民の要求が強い今、制度的な解決策の一つに挙げられてきたブラインド採用の成果は注目に値する。
市民団体「私教育の心配のない世の中」が韓国産業人力公団の報告書や雇用労働部の優秀事例集を総合的に分析した内容によれば、ブラインド採用の施行後、調査対象の公共機関への就職者の中のソウル大学・延世大学・高麗大学出身者の割合は15.3%から10.5%へと4.8%減少した。非首都圏は38.5%から43.2%と4.7%増加し、出身大学の数は平均10.3校から13.1校へと2.8校増えたという。もちろん、ブラインド採用とともに導入された地域人材採用割当て制に負うところもあろうが、全般的に組織内の多様性が拡大したと言える。採用手続きと結果の公正性に対する満足度も高かった。より注目すべきは、このように採用された新入社員の職務に対する力量と組織適応度は以前より高く、そのため新入社員の離職率が大幅に減るなど、経済的効果も大きかったという点だ。
労働市場の両極化解消とともに、就職における「学閥プレミアム」の廃止は、韓国社会の一歩も譲らぬ「欲望」の競争を緩和する数少ない道だ。さらに、最近の教育不平等問題からも分かるように、子どもの教育に親の特権の継承がはりついてしまっている状況において、学歴と出身学校を完全に「個人の能力指標」と見ることができるのかも疑問だ。にもかかわらず、7月から施行中の「ブラインド採用法」は、学歴や出身学校の記述に道を開いている。先日、共に民主党のイ・サンミン議員らが発議したいわゆる「出身学校差別禁止法」を含め、ブラインド採用の画期的な拡大策を議論する時期に来ている。