日帝強制占領期間に蚕から糸を作った工場が、世宗市(セジョンシ)の初の登録文化財になる予定だ。
世宗特別自治市は8日「旧山一(サンイル)製糸工場(山一工場)が登録文化財に登録予告された」と明らかにした。世宗市鳥致院邑(チョチウォンウプ)にある山一工場は、日本人が1927年に蚕の繭から糸を作る用途で建てたものだ。
1945年の光復(解放)後「サムチュン編物工場」として使われ、朝鮮戦争の時には鳥致院女子高の臨時校舎として使われた。1970年代から2003年までは、翰林(ハンリム)製紙工場として使われた。その後、廃工場として放置され、2017年に世宗市が11棟の工場建物と敷地を買い取った。
市は昨年10月、山一工場の建物11棟のうち3棟を文化財庁に登録文化財として登録申請した。文化財庁は、そのうちの工場建物1棟だけを登録予定地に選定した。この建物は、来月8日までの登録予告期間を経た後、文化財庁文化委員会の審議を経て登録文化財として最終登録される。市は、1957年に作られた世宗市芙江面(プガンミョン)の「芙江聖堂」も登録文化財に登録申請した。
市は、旧山一製糸工場を含む地域内の古い産業施設をまとめて地域複合文化空間として生まれ変わらせる計画だ。キム・ジョンギ世宗市観光文化財課主務官は「地域複合文化空間の造成範囲を調整する過程で、工場用地と残りの8棟の工場建物は登録文化財申請対象から外れた」として「旧山一製糸工場は、北側に窓を高く作ったのこぎり屋根構造だが、それは工場内に光を均等に取り入れるためだ。近代製糸工場の建築様式を理解できるという点で意味が大きく、登録文化財申請をすることになった」と話した。