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[コラム]4大河川事業の主犯、共犯、反逆者

登録:2018-07-08 22:08 修正:2018-07-09 06:45
続く猛暑で洛東江一帯が青い芝生のように青い光を浮かべたアオコの現象が急速に広がっている=昌寧/キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 7月4日、監査院は4大河川事業に対する4回目の監査結果を発表した。これによれば、この事業は元大統領である李明博(イ・ミョンバク)氏の“ワンマンショー”だった。建設企業出身の李氏は、水深6メートル、水資源8億トン、2009年着工、2011年完工など、この事業の核心内容を自ら決めて指示した。初期に、当時の国土海洋部がこの事業には大きな効果がないと報告すると、李氏は「統治権次元の事業」として押し切った。

 初期に環境部もアオコなどの水質汚染が憂慮されると報告したが、大統領府が「言葉を慎んでほしい」と指示すると口を閉ざしてしまった。李氏は、環境影響評価も縮小しろと直接指示した。これにより、通常なら5カ月かかる事前環境性検討と通常10カ月かかる環境影響評価がそれぞれ2,3カ月に短縮された。

 予備妥当性調査の免除はよりいっそう緻密だった。まず企画財政部は、国家財政法施行令を改定して「災害予防事業」を予備妥当性調査の免除事業に追加した。次いで、4大河川の堰建設と浚渫事業(10兆8千億ウォン規模=約1.08兆円)を「災害予防事業」に分類した。自動的にこれらの事業の予備妥当性調査は免除された。

 韓国水資源公社に8兆ウォン(約8千億円)を出させて、そのうち4兆1千億ウォンの事業を政府が委託されたのも李氏とその一党の作品だった。費用は公企業が賄い、事業は政府がしたのだ。普通はその反対でなければならない。この事業の費用対便益(B/C)も0.21に過ぎなかった。通常1を超えてこそ、政府事業として推進できる。特に洛東江(ナクトンガン)の費用対便益は0.08、栄山江(ヨンサンガン)に至っては0.01だった。100ウォンを投資すれば洛東江は8ウォン、栄山江は1ウォンを得られるという意味だ。これは事業でなく詐欺だ。

 しかし、こうしたあらゆる不法不当な事実が確認されたのに、監査院は李氏を調査することすらできなかった。ただし“現職”の国土交通部、環境部、企画財政部長官には不法不当な業務を遂行するなと“注意”措置をした。よくある問責や告発要求もなかった。

 監査院は、李氏とその一党を処罰、懲戒できないと明らかにした。まず大統領は監査院の監察対象ではないと述べた。その一党であるチョン・ジョンファン当時国土海洋部長官、イ・マンウィ当時環境部長官、カン・マンス、ユン・ジュンヒョン当時企画財政部長官らに対する公訴、懲戒時効も過ぎたと述べた。また、彼らの指示により仕事をした公務員に対して不利益を与えることは(処罰を受けない)李氏らとの間の公平性に問題があるとも述べた。

 私はこれを受け入れることはできない。私は4大河川に正義を要求する。予算と公共資金31兆ウォン(約3兆円)を投じて、国土の動脈である河川を病ませた者を放置してはならない。4大河川の正義が以下の通り実現されることを願う。

 第一に、4大河川事業を不法不当に推進した李氏とその一党を、職権乱用と背任の容疑で処罰しなければならない。処罰が難しいならば、聴聞会を開き、その誤りを一つ一つ明らかにしなければならない。

 第二に、この事業に協力した1152人が受け取った史上最大の勲章と褒章、表彰を取り消して、彼らの名前と行為をすべて公開しなければならない。

キム・ギュウォン社会2エディター//ハンギョレ新聞社

 第三に、この事業に対する反対運動を行い処罰を受けた21人の環境運動家を全員赦免し復権させ、彼らに対する37億8500万ウォン(約3.7億円)の罰金、民事補償、履行強制金を取り消さなければならない。

 第四に、この事業で病んだ4大河川を生き返らせるため、直ちに16個の堰を全面開放し撤去計画を立てなければならない。

 李氏とその一党の不法不当な行為で、数百万年にわたり流れてきた私たちの漢江(ハンガン)、錦江(クムガン)、洛東江、栄山江はわずか3年で遮られ腐った。そして9年の歳月が流れた。今や真実が明らかになった。ここでまごまごするならば、4大河川の正義は再び遅れるだろう。遅れた正義は正義ではない。

キム・ギュウォン社会2エディター (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/852400.html韓国語原文入力:2018-07-08 20:07
訳J.S

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