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80周年記念式など考えすらできず…意気消沈するサムスン

登録:2018-03-22 09:03 修正:2018-03-22 09:31
21日午後、市民がサムスングループの母体企業であるサムスン商会を復元した建物の前を通りがかっている。サムスンは22日に創立80周年を迎えるが、連日続く悪材料と批判の世論のため記念行事を開かない予定だ=大邱/聯合ニュース

 「糸がもつれるにもあまりに複雑に、めちゃくちゃにもつれました」

 昨年12月27日、サムスン電子のイ・ジェヨン副会長が朴槿恵(パク・クネ)前大統領に対するわいろ供与に関する2審の最終供述で言った言葉だ。イ副会長は今年2月の裁判で執行猶予で釈放されたが、まだもつれた糸は解けていない。

 22日に設立80周年を迎えるサムスングループは、大規模な記念行事など考えられる状況になく、苦悩に陥っている。サムスン電子は昨年53兆ウォンの営業利益を上げるなど、歴代最高の業績を記録し勢いはあるものの、社会構成員としての信用が地に落ちたからだ。

 先月5日、拘束状態から釈放されたイ副会長は、これまで外部に姿を現していない。チョン・ヒョンホ・サムスン電子社長(事業支援TFチーム長)をはじめ、キム・ミョンス・サムスン物産副社長(EPC競争力強化TFチーム長)、ユ・ホソク・サムスン生命専務(金融競争力向上TFチーム長)などに会ったと伝えられているが、外部活動は皆無だ。代わりに裁判の準備と共に信頼回復策を検討しているという。実務的にはイ・イニョン・サムスン電子社会奉仕団長(常任顧問)が中心となり、中長期的な信頼回復策を探っている。サムスン電子のある役員は「サムスングループを見る視線がいつになく良くない。これを挽回して克服できる案を論議していると聞いている」と話した。

 80周年記念行事はこじんまりと行う。22日午前9時、社内放送を通じて80周年の記念映像を放送する。社内のオンライン掲示板には80周年記念写真を数十枚掲示する。あわせて、一カ月間役職員たちがボランティア活動も行う。サムスン電子の関係者は「各会社が位置した地域社会で静かにボランティア活動を行う予定だ。これといった記念式はしない」と話した。

 サムスングループは50周年だった1988年、オリンピック公園体操競技場を借りて、役員や従業員1万人あまりが参加する大規模な行事を開いた。だが、60周年と70周年はそれぞれ通貨危機やイ・ゴンヒ・サムスン電子会長の裏資金疑惑を捜査したサムスン特検のために記念式を開くことはできなかった。

 今年は状況がさらによくない。イ副会長は3審裁判で経営権承継作業に対する判断が2審と変わる場合、ややもすれば再び収監される可能性もある。李明博(イ・ミョンバク)元大統領に対する賄賂供与の容疑も、最近追加で明らかになった。職員たちの士気はもとより、社会的信用も落ちた状態だ。サムスン内部で、「サムスンで申し訳ない」という意味の「サムソンハダ」(チェソンハダ=“申し訳ない”にかけている)という言葉が出るほどだ。結局、信頼回復に向けた特段の対策が切実な状況だ。カトリック大学のチョ・ドンムン教授(社会学)は「サムスンに対する信頼の悪化が深刻な状況だ。中途半端な対策ではだめだ。オーナー一家の退陣、イ・ゴンヒ会長の秘密資金の社会還元、労働基本権保障など全面的な処置が必要だ」と主張した。『サムスンウェイ』の著者であるソウル大学のイ・ギョンムク教授(経営学)は「現在の危機は相続などと関連したものであり、社会貢献の強化だけでは解決できない」とし、「社会的合意があれば、財産は財団に渡して経営権は保障するスウェーデンのバレンベリーのようなモデルを考えてみるべきだ」と話した。

 サムスングループは1938年3月1日、イ・ビョンチョル初代会長が大邱(テグ)に立てた小さな商店、サムスン商会を母体とする。現在は系列会社62社に売上高が300兆ウォンに上る。イ・ゴンヒ会長は50周年を迎えた1988年3月22日に「第2の創業」を宣言し、この時から記念日が3月1日から22日に変わった。

チェ・ヒョンジュン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/marketing/837137.html韓国語原文入力:2018-03-22 00:03
訳M.C

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