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[ニュース分析]セウォル号参事の最初報告時点を改ざんした理由とは

登録:2017-10-13 05:41 修正:2017-10-13 21:05
セウォル号惨事当日の2014年4月16日午後5時15分に朴槿恵大統領が中央災難安全対策本部を訪問して「学生たち全員が救命胴衣を着ていたと言うのにそんなに発見しにくいのか」と尋ねている=画面貯蔵//ハンギョレ新聞

 12日、大統領府が明らかにした朴槿恵(パク・クネ)政権時代のセウォル号惨事の関連文書の改ざん疑惑は衝撃的だ。セウォル号惨事の対応に無能だった「朴槿恵大統領府」が朴前大統領に最初の報告をした時刻までに改ざんし、責任逃れに奔走していたことが明らかになったからだ。

 同日、イム・ジョンソク大統領秘書室長が明らかにした内容によると、朴前大統領がセウォル号惨事当日の2014年4月16日、同事故の報告を受けた時点はこれまで知られていた午前10時ではなく、これより30分早い9時30分だった。イム室長は「(セウォル号惨事)6カ月後の2014年10月23日に作成された修正報告書には、最初の状況報告の時点が午前10時に変更されている」とし、「報告時点から大統領の初指示までの時間を減らすためとしか思えない」と説明した。

セウォル号参事当日(2014年4月16日)朴槿恵前大統領への最初の報告時点//ハンギョレ新聞社

 朴槿恵政権時代の大統領府が報告時間を操作した理由は明らかだ。朴前大統領が惨事を認知してから救助を指示するまでの時間の間隔を縮めようとする意図があったとしか説明できない。10時に最初の報告を受けて10時15分に救助の指示を出していたなら、比較的迅速な措置を取ったと言えるが、9時30分に報告を受けた後、45分が過ぎてから指示を下した事実が明らかになった場合、「生存者救助のために1分1秒が大事なのに、45分間何をしていたのか」、「生存者を救助できるゴールデンタイムを無駄にした」という非難が殺到するのは必至だったからだ。

 問題の30分がいかに大切な時間だったのかは、専門家たちの分析から推測できる。嘉泉大学超高層防災融合研究所が事故発生時刻と脱出経路などを考慮して計算した最後の脱出可能時刻は「10時6分44秒」だった。5階の左舷甲板が浸水した時刻だが、それ以前にセウォル号の中にいた乗客に退船命令など適切な処置が下されていれば、犠牲を大幅に減らすことができたということだ。したがって、朴前大統領が最初に報告を受けた時点の9時30分から、改ざんされた報告書の記録どおり15分後に救助命令を下したなら、最大の惨事を防げた可能性もあると言える。

 「真実の力、セウォル号記録チーム」が昨年発行した『セウォル号、その日の記録』によると、大統領府国家安保室危機管理センターが海洋警察庁本庁の状況室に最初に電話したのは午前9時20分であり、その後100回以上も電話をかけ続けた。救助指示とは程遠い、大統領報告用の状況把握がそのほとんどの内容だった。当時のキム・ギチュン秘書室長やキム・ギュヒョン国家安保室1次長などは放送速報などを通じて状況を把握していたにもかかわらず、「それだけでは報告することができなかった」と主張してきた。最初の報告時刻が9時30分であることを考えると、当時の大統領府の関係者たちの釈明と憲法裁判所の弾劾審判過程での証言がすべて偽りだったことになる

 政界では全面再調査や責任者処罰などを求める声が高まっている。キム・ヒョン共に民主党スポークスマンは論評を発表し、「300人以上の命を救わなければならなかった当時の一刻を争うゴールデンタイムを考えると、大統領の報告時点を30分遅らせて改ざんした事実に怒りがこみ上げる」とし、全面再調査の必要性を提起した。ソン・クムジュ国民の党首席スポークスマンも「必ず責任を問うと共に、再発防止に向けた制度改善に拍車をかけるべきだ」と話した。一方、自由韓国党政治報復対策委員会のキム・ソンテ委員長は「文在寅(ムン・ジェイン)大統領府は前政権の周辺を嗅ぎまわる興信所政権のようだ」と批判した。

キム・ボヒョプ、キム・ナムイル、チョン・ウンジュ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/814282.html?_fr=st1 韓国語原文入力:2017-10-12 22:18
訳H.J(1804字)

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