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朴槿恵前大統領、左派根絶は「肉を噛みちぎるまで」

登録:2017-05-05 04:02 修正:2017-05-05 07:02
賄賂授受などの容疑で拘束された朴槿恵前大統領が今年3月31日未明、ソウル瑞草区ソウル中央地方検察庁で、ソウル拘置所に移送される姿=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 参謀たちが残した「手帳」が本格的な裁判を控えた朴槿恵(パク・クネ)前大統領に照準を合わせている。「アン・ジョンボム手帳」が朴前大統領の賄賂罪を裏付けているのに加え、故キム・ヨンハン元大統領府民政首席やパク・ミングォン元文化体育観光部次官、パク・ジュンウ元政務首席の業務手帳が朴前大統領の「文化芸術界ブラックリスト」関連の疑いを立証する証拠として浮上している。

 4日、ソウル中央地裁刑事30部(裁判長ファン・ビョンホン)の審理で開かれた金淇春(キム・ギチュン)元大統領府秘書室長などに対する裁判では、大統領と秘書室長の指示事項がぎっしり記録されているパク・ジュンウ元首席の業務手帳が公開された。

 同手帳には朴前大統領が「異常の正常化」の一環として「左派撲滅」を指示した情況が登場する。朴前大統領は2013年12月19日、党最高委員との晩餐で「文化界の権力を取り戻さなければならない。MB(李明博<イ・ミョンバク>政権)の時に、左派撲滅に成果を出せなかったため、(今)異常事態を迎えている。ヌリスターのような右派芸能人団体が出演できなくなっている」と話したことが手帳に書かれている。大統領の発言の翌日、金淇春(キム・ギチュン)元室長は、首席秘書官会議で「左派団体に対する政府支援状況を全数調査して(是正)措置を取るよう」指示した。

 朴前大統領はまた、翌年2月、国務調整室の業務報告で「異常の正常化、最後まで根絶、ブルドッグよりも珍島犬のように、一度噛みついたら肉を噛みちぎるまで」と述べたことが手帳に記録されている。特検が「大統領の言葉を書いたものなのか」と聞くと、パク元首席は「そうだ」と答えた。当時、朴前大統領の「珍島犬」発言などは国政課題の遂行を催促したものとして報道されたが、手帳に登場した情況からすると、「異常の正常化」の核心は「左派の除去」にあったものとみられる。朴前大統領は、その後タスクフォースが調査した左派団体支援現況についても報告を受けたと、特検チームは見ている。

 パク元首席の手帳には、金元室長の具体的な指示も記録されていた。2013年9月9日分の手帳には「天安艦映画(『天安艦プロジェクト』)メガボックスでの上映は北朝鮮追従勢力を支援するため、製作者とファンド提供者は許せない」、「国立劇団、(朴正煕<パク・チョンヒ>・朴槿恵大統領を風刺した演劇)『カエル』の上演は許せない」、「北朝鮮追従・親北の撲滅に乗り出すべき、 強い敵がい心持って対処すべき」などのメモが登場する。翌年1月、保守性向の教学社の教科書が、わずか1校で採用されたことに対し、「全教組の悪辣な攻撃によって挫折、愛国健全勢力の基盤が弱体化した結果、緻密に準備しなければ第2、3の教学社に」と話したことも記録されている。パク元首席は「金室長主宰の会議が開かれる度に『国が左寄りになった』という言及があった」と話した。

 これに先立ち、先月25日に開かれた裁判では、パク・ミングォン元文化体育観光部1次官の手帳が公開された。この手帳には「キム・ソヨン秘書官、健全コンテンツBH(大統領府)が問題に、発言に気をつけるべき、文体部独自」と書かれている。パク元次官は法廷で「巷に『ブラックリスト』が大統領府の指示という噂があるが、文体部独自でやったことにしなければならないとキム・ソヨン元大統領府文化体育秘書官が指示した」と証言した。まだ証拠として採択はされていないが、故キム・ヨンハン元民政首席の業務手帳にも「左派の策動に闘争的に対応せよ」という金元室長の指示が残されている。

ヒョン・ソウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/793508.html 韓国語原文入力:2017-05-04 22:28
訳H.J(1841字)

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